会見でのあの涙は嘘だったのか。
ジャニー喜多川氏の性加害問題に関するジャニーズ事務所の記者会見で、藤島ジュリー景子前社長は涙ぐみがら、所属タレントに罪はないことを強調し、引き続きの支援を願って頭を下げたのだが…。
そんなジュリー氏が会見直後に向かったのは、羽田空港。行き先はハワイ・ホノルルだった。ジュリー氏はワイキキビーチ至近にある「トランプタワーワイキキ」内に所有しているコンドミニアムに娘とともに滞在し、豪遊したというのだ。性被害者に真摯に向き合うのではなかったのか。
そんな行状を報じた「週刊文春」によれば、ジュリー氏所有のコンドミニアムは高層階にあるオーシャンビューの角部屋で、190平米の広さ。2011年に推定約5億5000万円で購入したという。
4時間以上に及ぶ厳しい会見をこなした「ご褒美」に、ハワイ旅行。なんとも被害者をバカにした行動なのである。
記事ではジュリー氏が社長辞任後も代表取締役の座にとどまり、ジャニーズ事務所の100%株主で居続ける「本当の理由」にも踏み込んでいる。
ジュリー氏は性被害の補償に関して、自身が実権を握っていた方が進めやすいという趣旨の発言をしていたが、そうではないのだと。代表取締役であり続けることで、相続税の支払いを回避したいというのだが、いったいどういうことか。
ジャニー氏の死後、メリー氏とジュリー氏が半分ずつ所有することになったジャニーズ事務所の株式は、2021年にメリー氏が亡くなったことで、ジュリー氏が全株を保有。収めるべき相続税は860億円にも上るという。
ところがジュリー氏は「事業承継税制」の制度を利用して、納税を免れている。相続税申告期限の2020年5月から5年間、代表取締役の座にあること、その後も株式を継続して保有することを条件に、株式の相続税や贈与税の納税を猶予されるからだ。後継者不足を理由に、近年は黒字廃業する中小企業があとを絶たない。そんな中小企業の事業継承を後押しするために導入された制度なのだが、
「もしジュリー氏が今、代表取締役を辞めたり株式を売却したりすれば、相続税を支払わなければならなくなる。そんな事態はなんとしても防がなくてはならない、というわけなのでしょう」(芸能記者)
制度を利用すること自体は問題ないが、その点を説明せずに「性被害者救済のために必要」を隠れ蓑に利用するのは、被害者のみならず多くのファンを欺くことにならないだろうか。納得のいく説明を聞きたいものだ。
(石見剣)