スポーツ

山口健治の“江戸”鷹の目診断「高松記念」

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成田和に忠告したG前のコース取り

 GIのぶっつけ本番は、実力者でも不安が付きまとう。実戦感覚を確かめるためにも、1場所は走っておきたいのが選手心理だ。

「高松記念」(11月13日【木】~16日【日】)に出走予定のS級S班は、金子貴志成田和也浅井康太。小倉競輪祭(11月21日~)へ最後の前哨戦となり、順調な金子と浅井は万全の状態だが、気がかりなのは成田だ。

 ここは8月豊橋記念準決勝で落車負傷して以来、実に2カ月半ぶりの実戦。3カ月の欠場明けから、わずか3場所走っただけでのアクシデントだったが、私は成田にゴール前のコース取りを忠告したことがある。

 中割りが目立つからで、「追い込み選手としての責任感から、無理してでも突っ込むのはわかるが、そこまでファンは望んでいない」と。そして何より、成田の脚力なら外に持ち出しても届く。先を見据えた“ニュー成田”の戦いを見てみたい。

 中四国の新戦力として期待したいのが、97期の黒田淳だ。岡山待望の機動型であり、記念は8月富山と9月青森で準決勝に進出。ここでファイナリストになり、3着まで入れば、来年の小倉競輪祭出場権をほぼ手にできる。知名度が上がればレースはしやすくなるだけに気合いが入る。

 さて、並びと展開。中四国は黒田─阿竹智史香川雄介。近畿の三谷竜生東口善朋と、浅井─金子の中部SS班両者が西日本の有力どころ。東日本は南関の東龍之介勝瀬卓也、関東の上原龍武田豊樹神山雄一郎。東北は佐藤友和─成田。他では、友定祐己山田英明が勝ち上がってもおかしくない。

 三谷が行く気を見せても、四国勢に前を任された黒田が主導権を取る。上原の動きに合わせて、三谷、浅井が仕掛ける。

 本命は武田。願ってもない2段駆けで、余力を残して番手まくりを決める。対抗は浅井で、賞金ランク8位(11月4日現在)の神山の台頭も。地元の利ある香川も軽視できず、もつれれば成田の突っ込みがある。

 伏兵は、山田義彦(埼玉・92期)、竹田慎一(富山・94期)、保科千春(宮城・100期)の3選手。

 山田は補充だったが千葉記念【1】【3】の動きが光った。竹田の果敢な先行力も魅力。マイペースに持ち込めば、簡単には止まらない。レースっぷりが粗削りな23歳の保科が伸びるのは、これから。ためらわず逃げれば結果はついてくる。

◆プロフィール 山口健治(やまぐち・けんじ) 1957年1月、東京都荒川区生まれ。競輪学校38回生卒業チャンピオンとしてデビュー。主なタイトルは日本選手権、競輪祭(2度)。09年1月引退。現在「スポーツ報知」評論家。

◆アサヒ芸能11/11発売(11/20号)より

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