セ・リーグの2位争いが白熱している。
10月1日、3位・DeNAと1ゲーム差の単独2位だった広島は、今季最終戦となる本拠地での阪神戦に5-6と痛い敗戦。一方のDeNAは、横浜での中日戦に4-0で快勝した。先発した大貫晋一が97球で完封の「マダックス」達成で今季5勝目を挙げた。敗戦か引き分けなら3位決定という土壇場の試合を制して、10月4日に東京ドームで行われる巨人との今季最終戦に、単独2位の望みをつないだ。
「クライマックスシリーズ(CS)に2位で進むか3位でいくかは大きな違い。ファーストステージをホームで戦えるアドバンテージがかかっているので、DeNAは必勝態勢で臨むでしょう。先発はここまで16勝2敗で、最多勝タイトルを確定させている東克樹でしょうね。ところで、DeNAが最終戦まで負けられない戦いをする事態になったことをいちばん喜んでいるのは、阪神の大竹耕太郎なのでは…」(スポーツ紙デスク)
一体どういうことなのかといえば、
「大竹と東は、勝率1位のタイトルを争っている。大竹は12勝2敗で、勝率は8割5分7厘。勝率1位のタイトルは13勝以上という規定があり、大竹は最終戦で13勝目を挙げることが最低条件となります。13勝2敗なら勝率8割6分7厘に上がります。一方の東は現在、勝率8割8分9厘なので、このままでは大竹が上回ることはできないのですが、DeNAは最終戦で勝たなければならないので、最も勝てる投手である東を投入するしかない。もしそこで東が負け投手となれば勝率は8割4分2厘となり、大竹が13勝目を挙げれば勝率は逆転するのです」
10月1日の試合までに広島とDeNAの順位が確定していたなら、DeNAは東を温存して勝率1位のタイトルを確定させていたはず。大竹にとっては、10月1日に自チームが広島に勝ち、DeNAも勝ったために順位決定が10月4日に持ち越されたことで転がり込んできた、タイトル獲得のチャンスなのだ。
「東は自身12連勝中と絶好調。モチベーションを失った巨人打線が攻略できる可能性は高くないでしょうが、勝負は下駄を履くまでわからない。大竹としては、まずは自身が好投して13勝目をもぎ取り、あとは『巨人さん、お願い』の心境なのでは」(前出・スポーツ紙デスク)
ギリギリの争いの行方は…。
(石見剣)