組織内部に膨大な額の補償問題を抱え、タレントとしての関係の再構築も必須。外に目を向ければスポンサー、メディアの信頼回復が求められる。そんな内患外禍のジャニーズに、組織関係者はこう告げるのだ。
「義理を欠くことなく補償を行うのはもちろん大前提やが、これ以上のタレント流出を抑えることも同じぐらい大事やな。結局ヤクザの世界でも、大きな組織が崩壊したら、もともと上が管理していた縄張の中で小さい組同士のシノギがバッティングするんや。ジャニーズは男前があれこれ活動して儲けてるわけやろ。退所者なんか出したら、仕事内容が歌でも役者でも、自分とこに残ったタレントとモロかぶりやないか。それがまたいらんトラブルを呼ぶし、アガリも減るで」
会見で東山社長は、新しく立ち上げるエージェント会社について「それぞれのタレントが来たいと言えば契約する」と答えた。が、情に訴えるのか条件をよくするのかはさておき、なりふり構わぬ勧誘に走らないと、名前どころか組織そのものも残らない、という最悪の結末になりかねない。
一方、また別の組織に属する経済ヤクザは、こともなげに言う。
「少なくとも資金的に破綻しないための策は簡単だ。ファンクラブに所属するような熱心なファンが何十万、何百万といるわけだから。多少は減るとしても、母数は圧倒的。ネットでタレントが生中継する課金制のコンテンツを作ったり、ファンクラブも『プレミアム会員』とか言って月額数百円値上げするだけで、莫大なアガリが入ってくるわけだろう。補償金にも回せるし、タレントだって潤う。離脱者が少なくなって一石二鳥じゃないのか?」
芸能界では常識だが、ジャニーズはネット対応を意図的に禁じてきた。最近でこそようやく、元・嵐の二宮和也(40)らがYouTubeを開設するなどにとどまっており、手をつけていない金鉱脈が残っているのだ。沖田氏も、それまでなかった新しい「飯のタネ」を見つけるべきだ、と語る。
「YouTubeでもTikTokでもなんでもいいですが、新しいプラットフォームで商売することは必要になってくるでしょうね。若い、新たなファンの獲得にもつながりますから。今までまかり通ったゴリ押しの交渉が通用しなくなるわけですから。テレビやスポンサー企業に代わる別の『タニマチ』が、ネットの広告収入になる、というだけのことですよ」
果たして、東山社長はどんな落とし前をつけるのだろうか。