今シーズン限りでの引退を表明したサッカーJ1北海道コンサドーレ札幌の小野伸二選手について、日本代表や浦和レッズで共にプレーした田中マルクス闘莉王が自身のYouTubeチャンネルで語った。
闘莉王は率直な感想として、
「また1人のレジェンドが引退するんだ。サッカーの神様も悲しんでいる。あれだけの怪我に苦しみながらここまでやれたことはすごい」
と打ち明けた。
小野は1999年のシドニー五輪一次予選・対フィリピン戦で相手選手に後方からタックルされ左膝靭帯断裂を負い、以降はケガに悩まされ続けた。闘莉王は小野のケガについてこんなことを覚えているという。
「MRI検査を受けに行って伸二さんのMRI検査のファイルを見たら、僕の10倍ぐらい多かった。それだけMRI検査をしてきた。でも悲しい顔を見せない。ケガに負けた感じは一度もなかった」
小野は技術の高さで知られるが、闘莉王は、
「ウォーミングアップで技術の違いがわかる。なんでそんなに止められるのか、なんでそのキックが両足で蹴られるのか。レベルが違いすぎて恥ずかしくなる。ウォーミングアップを見るだけでチケット代を払う価値がある」
と絶賛。
代表チームでは小野が「持っている」ことを感じたエピソードがあるという。アテネ五輪出場を目指した代表チームで闘莉王はPKキッカーに指名されていたが、試合でペナルティーキックを蹴るチャンスはなかった。ところが小野が参加してPKのキッカーに指名されると、最初の試合でPKが生まれたという。
小野は将来、指導者になる可能性があるが、
「間違いなくいい指導者になれる。頭がいい。人気もある。選手たちの信頼感もある。人間としても別格。みんなを引っ張っていけるリーダーになれる人間」
と闘莉王は太鼓判を押す。
しかし「天才」にも弱点はあるそうで、
「雀卓を買って俺の家に置いてあって、平川(忠亮)や岡野(雅行)さんとかみんなでやった。小野さんは麻雀弱いです」
と暴露し笑いを誘っていた。
小野がピッチを去るのは寂しいが、闘莉王の言うようにいい指導者になって帰ってきてくれるだろう。
(鈴木誠)