いつの間にかバラエティー番組などで、彼女の姿を見ない日はないほどのめざましい活躍ぶりが…といえば、やはり「あの」ちゃんだ。マーケティングリサーチなどを行う株式会社アーキテクトが発表した「2023年上半期にブレイクしたタレントランキング」女性部門は、1位があのだった。その勢いは下半期に入ってからも変わらない。
11月からは全8回にわたって「あのちゃんのささやかな気持ちですが…」が、フジテレビ「日曜PLUS!」枠で放送される予定だ。フジテレビでの初冠番組となるが、どんな内容になるか非常に楽しみ。
さらに10月13日からは「ドライブ・マイ・カー」「ガン二バル」の脚本を手掛けた大江崇允監督作の映画「鯨の骨」が上映中。落合モトキとのW主演だ。予告編を見た限りではあるが、謎の女子高生役のあのは、演技力にも長けていることがよくわかる。いつもの特徴的な声でなく、普通のトーンでのセリフもあって、キャラとか演技とかは二の次でも惹きつけられ、今後、映像作品方面でもさらに活躍しそうだ。
あのの活躍はCMでも顕著だ。今年上半期だけでも「ライフカード」「KDDI・au三太郎シリーズ(あまのじゃ子役)」「ブルボン・プチアンドプチポテトシリーズ」「ブックオフ」と、いずれも彼女のイメージにマッチした演出が施された。独特の口調と声が耳に残り、宣伝効果は倍増といった趣がある。
それにしても、新たに放送されている新CM「日清ヨーク・十勝のむヨーグルト」には完全にノックアウトされた。青シャツに赤いスラックス姿のあのがステップを踏みながら「ジュースより、普通に、十勝っが好きっー!」と叫ぶと、ニヤリと笑みを浮かべてこちらを指差す。続けて「腸内環境も~、改善する~、そう!十勝っが好きっー!」と再び叫び、最後に「あーいっ!」と天を突くポーズをとるのだ。
お笑いタレント永野のネタ「ゴッホより、普通に、ラッセンが好きー!」のパロディーであることは一瞬にしてわかる。今時、あのネタを全力で、お笑い用語的に言えば「マンキン」でやってのけるあのと、やらせたプロデューサーに思わず拍手を送ってしまった。
「新CMクイーン」の座は、あので間違いなし。これを機に、永野までもが再び脚光を浴びることはないとは思うが…。「永野より、普通にあのちゃんが好き~!」。
(堀江南)