乗用車を運転中に起こした接触事故発覚を受け、7年越しの「特大ブーメランが戻ってきた」のが、FIJIWARAの藤本敏史だ。
藤本は10月4日、東京・渋谷の交差点で別の車両と接触事故を起こすも、その場から立ち去る「当て逃げ」に及んだ。
所属事務所の吉本興業は藤本の芸能活動自粛を発表。藤本の謝罪コメントも公表したが、これで蒸し返されたのが、かつての藤本の発言だった。
2016年12月、NON STYLEの井上裕介が自動車を運転中にタクシーに衝突。井上は現場を離れ、その後、過失運転致傷や道路交通法違反で書類送検された。当時、藤本は井上の当て逃げに対し、ネット番組でこう苦言を呈している。
「なんで車から出て謝罪せえへんかったやろ。しっかり反省してほしいですね」
その言葉が今になって、自らに返ってきたのである。
まさに「口は禍の元」を地でいくことになった今回の騒動だが、では7年前の井上の謝罪会見はどうだったのか。
最終的に不起訴処分となった井上が吉本興業東京本部で、詰めかけた130人の報道陣を前に会見に臨んだのは、2017年1月7日夜だった。
「目の前のタクシーを追い抜こうとした時、ちょっと当たったのではないか、という感じはあったのですが、自分の都合のいいように解釈してしまい、当たっていないんじゃないかと思ってその場を離れてしまいました」
その際の衝突音については、車内に音楽が流れていたため認識できなかったのだという。
帰宅後に車の傷を確認したが、深夜だったため誰にも相談できず。翌日、警察から電話があり、事情聴取が行われた。井上が涙を流しながら説明する。
「(被害者の方には)何度か電話させていただき、お手紙も書かせていただき、3日後に直接お会いしてお詫びしました。相手の方は本当に優しい方で、僕が泣きながら謝罪しているのを見て、100%僕が悪いのに、相手の方も涙を流されて『もう謝罪の気持ちは十分伝わりました。早く復帰して漫才をしている姿を見せて下さい』っていう温かいお言葉をいただきました」
ところが会見の最後、赤いジャンパーを着た人物が突然、井上に質問を投げかける。
「共演しているアッコさんから何かお声がけってありましたか」
質問の主は井上が出演中の「アッコにおまかせ!」(TBS系)のスタッフ。案の定、その後の放送ではこのネタが時間を割いて取り上げられることに。芸能記者の中からは「な~んだ、あの質問は番組の前振りだったのか」という声も出た。
今や騒動を笑いのネタにしている井上だが、いつの日か藤本にもそんな日が訪れるんだろうな、と思ってしまったのである。
(山川敦司)
1962年生まれ。テレビ制作会社を経て「女性自身」記者に。その後「週刊女性」「女性セブン」記者を経てフリーランスに。芸能、事件、皇室等、これまで8000以上の記者会見を取材した。「東方神起の涙」「ユノの流儀」(共にイースト・プレス)「幸せのきずな」(リーブル出版)ほか、著書多数。