日本大学アメリカンフットボール部の違法薬物事件で、部が独自調査を行い、20人ほどの部員やOBらに大麻使用の疑いがあったことが判明した。日大アメフト部をめぐっては10月16日に、4年生の男が都内で大麻を違法薬物と分かった上で譲渡した疑いで、新たに逮捕されている。
昨今、若年層への大麻の広がりが社会問題となっている。とりわけ深刻化しているのが沖縄県だ。今年1月から9月末の時点で、沖縄県内で危険ドラッグ使用によるとみられる救急搬送事例が15件あったことが、10月14日に発表された。沖縄県内では2022年に大麻取締法違反の疑いで摘発されたのが181人と、人口比で全国最多だった。
県内では大麻草の栽培施設の摘発がたびたびあり、沖縄麻薬取締支所の上田達生支所長は、次のように指摘している。
「大麻の『地産地消』状態になっている可能性があり、沖縄は大麻汚染が深刻といえる」
沖縄における若年層の大麻汚染について、県内在住の裏モノライターに事情を聞くと、
「十数年前から若者らを中心に、大麻が蔓延しています。コロナ禍を機に、特に逮捕事案が目立つようになりました。沖縄では貧困などの事情から親が夜、働きに出る家庭が少なくない。ところがコロナ禍で飲食店が営業できなくなったことで親が家にいるため、それまで自宅で大麻を使用していた若者が街に出るようになった。路地裏で大麻のニオイをさせて騒いでいる若者を見かけたことは、何度もあります」
そもそも沖縄は大麻を栽培するための環境に適しており、それが昨今、摘発が多い個人栽培につながっているのではないかと、このライターは指摘する。
「大麻の栽培には温暖で日当たりがよく、湿度が高くほどよい風当たりの環境が適当とされています。沖縄にはマンスリーマンションが多く、県外からの人間や外国人でも簡単に部屋を借りることができる。特に外国人入居可の物件は家賃が高めに設定されているものの、家具と家電付きで、敷金や保証金なしで借りられるものが多いですね。こうした部屋が隠れ蓑になっていることもありますね」
今年7月には石垣市の自宅で大麻草を栽培したとして、ドイツ国籍の男が逮捕されている。
大麻種子の販売及び所持は規制の対象外のため、誰でも簡単に手に入れることができる。購入には許可証を必要とするなど、法改正をしない限り、県内での大麻蔓延はさらに続くだろう。
(東堂遼)