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【Jリーグ】J2町田をたった1年でJ1昇格させた黒田剛監督の「ヒールキャラ」

 サッカーJ2町田が、クラブ史上初となるJ1昇格を決めた。

 指揮をとるのはプロ監督1年生の黒田剛(ごう)監督で、昨年まで青森山田高を高校サッカー強豪に押し上げ7回の日本一に輝いた。直近6年間で正月の高校選手権で優勝3回、準優勝2回と、高校サッカーでは圧倒的に勝てる監督だった。

 黒田監督本人は「日々、不安と背中合わせで眠れない日々もあった」とコメントしているが、昨季J2・15位のチームで見事に達成した余裕のJ1昇格だった。

 J2町田は、今季からサイバーエージェントの藤田晋社長がオーナーになった。昨年末に約200億円でW杯カタール大会の放映権を取得したABEMAの社長でもある。「過去、一番興奮した」と大喜びし、黒田監督の来季続投を「当然です」と明言した。

「昨年まで高校サッカーの監督だった黒田さんがJ1に1年であっさり昇格したことに、他のJ2クラブも監督も『猛省』すべきですよ」

 とはサッカー担当記者。まさにその通りなのだが、黒田監督はそのしたたかさも、サッカー界では有名なのだ。黒田監督をよく知る元日本代表OBは「いい意味でも、悪い意味でも勝つためにはどんな手段もいとわない監督だよ」と話す。

 黒田戦術の一つに、ロングスローがある。今や高校サッカー強豪校ではほとんどの高校が導入しているが、相手がロングスローの際、その選手の視界にわざとと思わせるような立ち位置に立ったこともあった(本人は誤解と否定)。第99回の全国高校サッカー決勝ではピッチ上には唾を吐く姿が映し出された。

「プロ監督として1年生でしたが、今季も試合で露骨と思われる時間稼ぎやファウルに対するクレームなど、いろいろと話題に上る監督でしたね。対戦相手からも町田のファウルが危険なものも多いという声も聞きます」(J2担当記者)

 来季はJ1で、これまでにはいなかった「ヒールな監督」の誕生が話題になることは確実だ。

(小田龍司)

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