生き馬の目を抜くお笑い業界──。
「M-1グランプリ」「キングオブコント」といった賞レースへの参加だけでなく、一刻も早く日の目を浴びるべく、若手芸人たちはライブハウスで行われる小規模なトークイベントにも出続けている。
そうしたイベントでは、「カープ芸人」を自称するゴッホ向井ブルーやザ・ギースの尾関高文のように、多くの芸人がみずからのキャラクターを立たせるための工夫を凝らしてトークを披露しているが、お笑い関係者は昨今、「芸人自身のキャラづけに大きな異変が生じている」と証言するのだ。
「去年の夏頃から、若手芸人がこぞってJリーグの試合を観に行くようになり、『Jリーグ芸人』を目指すヤツらが急増しましたね」
こう明かすのは、大手事務所マネージャーである。
「ナインティナインの矢部浩之やペナルティのヒデ、土田晃之など、これまでもサッカー好きの芸人はいたんですが、熱の入れようがケタ違い。東京吉本のある若手芸人は『借金してまで浦和レッズのシーズンチケットを買った』と言っていました。実は、Jリーグの放映権を外資系の『DAZN(ダゾーン)』が取得したことで17年から放映権料が大幅に増え、各クラブの資金も爆発的に増えるんですよ。そこで芸人としては、みずからをサポーターだとアピールすることにより、クラブのファンイベントなど、ギャラのいい営業にありつきたいという魂胆で動いているんです」
ブレイクを果たす「Jリーグ芸人」は現れるか。
(白川健一)