自然界には「病気の動物などいない」とも言われている。したがって文明社会の中で生きている人間も、本来の自然の状態を取り戻すことで、病を克服することができるという。その究極の健康法が「スッポンポン健康法」だ。
「洋服を着ることが当たり前の現代の人間は、皮膚呼吸が正常にできていないため、病気にかかりやすくなっているんです」
こう話すのは、渡辺医院(東京・東中野)の渡辺完爾院長だ。現代病の多くは本来、人が自然の一部であることを忘れ、流れに逆らった結果、なるべくしてなった病気であり、ならば、動物本来の生活に戻せばいいという。では、人間の体をいかに自然な状態に戻すか。そんな発想から、1927年に西勝造氏が考案した「西式健康法」を渡辺院長は実践している。西式健康法は現代医学が見落としている点を指摘したもので、その1つが“裸療法=裸健康法”なのである。
「乾布摩擦と異なり、皮膚を痛めることなく鍛えられる。皮膚呼吸が強化され、風邪もひかなくなり健康になるんです」(渡辺院長)
そのやりかたはいたって簡単だ。窓を大きく開いて裸(下着着用はOK)になった後、服を着るのを交互に繰り返すだけ。
ごく簡単に説明すると、まず20秒裸になる。次に1分間、服(ガウン、シーツ等)をまとう。2回目からは服を着る時間は同じままで裸になる時間を30秒、40秒……と、10秒ずつ増やしていき、裸の時間を70秒まで増やした6回分を1セットに、最初のうちはこれを3セット行う。慣れてきたら11回分を1セットとして、これを3セット行う。日の出前と日没後に行うのが理想的だが、食後30分と入浴後40分は避けるようにする。
「これを続ければ、血液の循環がよくなり、有害物質の代謝も活発になる。肩こりや腰痛などが解消するばかりでなく、アトピーからガンまで良くなったという例もあります」(渡辺院長)
この手軽さと驚きの効果。さっそくやってみたくなる健康法ではないか。