路線を乗り換える際、同じ鉄道会社の路線であれば改札を通らないのが普通。駅から出る必要はなく、ホームを変えれば済むからだ。ところが、JR鶴見駅には約2年前まで駅構内に改札があり、乗り換えの際にはそこを通らなければならなかった。
具体的には京浜東北線から鶴見線、またはその逆の場合、鶴見線ホームの横にある中間改札を通る必要があった。これを新宿駅で例えるなら、山手線から中央線に乗り換える時に中間改札を通らないと行けないということになる。いかに変わったことか理解していただけるだろうか。
なぜこのようなことになったのか。鉄道ライターの解説は、
「鶴見線は1971年に駅の合理化が行われ、鶴見駅以外はすべて無人駅になりました。首都圏の路線としては異例のことです。無人化すると、キセル乗車が可能になってしまいますからね。例えば京浜東北線のどこかの駅から乗車し、切符は隣駅までしか買わず、鶴見線の鶴見駅以外の駅で下車することができてしまう。それを防ぐために。鶴見駅に中間改札を置く必要があったんです」
鶴見線の駅に簡易Suica改札機が設置された今、キセル乗車が難しくなったため(Suicaは入場記録があるのに出場記録がない場合、入場ができなくなる)中間改札が必要なくなり、撤去されるに至った。
中間改札がなくなり乗り換えは楽になった。だが、鶴見駅の名物がなくなったのは少し寂しさも感じる。
(海野久泰)