「四日市記念」◎新田祐大/○佐藤慎太郎/▲脇本雄太/△平原康多
新人選手には晴れ舞台でもある記念での活躍は、成長の糧になる。
ナイターで行われる「四日市記念」(11月9日㊍~12日㊐)は、GⅠ最終戦の小倉競輪祭(11月21日~26日)に向けて記念最後の前哨戦にふさわしく、SS班4人と1班上位がそろう。細切れ戦が濃厚で展開は読みにくい。筋違いの好配当決着になってもおかしくないシリーズになりそうだ。
鉄壁の連係を誇る福島コンビ、◎新田祐大-◯佐藤慎太郎が、前走の京王閣記念に続いてワンツーフィニッシュを決める。新田は好位から仕掛けることが多くなっている。獲得賞金ランキングは10位(11月3日現在)とボーダーライン上にいる。中団一気に抜け出すとみた。
佐藤慎は優勝こそないが、寛仁親王牌と高松宮記念杯の2着にダービー3着で賞金は1億円を超え、来年のSS班も確実にしている。新田が先行争いで脚を使うようなら逆転がある。
落車負傷した西武園オールスター以来、約3カ月ぶりの実戦になる脇本雄太は、初日に好走するようなら見直したい。あとはSS班維持に後がない平原康多の渾身駆けを押さえておきたい。
浅井康太は、このホームバンクの記念を4度優勝している。地元の後輩には坂口晃輔に柴崎淳、谷口遼平が参戦する。さらにダービー王の山口拳矢にもつけられる。印は回らなかったが、ラインが長くなるようなら軽視はできなくなる。
【大穴この1車】嶋津拓弥(神奈川・103期)。
決まり手は差しとマークが50%ずつのまさに追い込み選手。グレード戦は前走の親王牌(⑤⑧⑦①)の最終日が3万円超。準決勝に乗った7月小松島記念(③①⑥⑧)では初日が15万6270円、2次予選は46万6560円と超大穴を連発した。主戦場のF1戦でも万車券を演出している。ゴール前でもつれるようなら小松島の再現がある。
【狙い目の伏兵3人】
藤井侑吾(愛知・115期)は、前走の京王閣記念(③②①❻)が見事だった。中部の先頭で予選突破が目標になる。
すでに来期1月に1班への返り咲きが決まっている川口公太朗(岐阜・98期)。今年はS級戦で2度優勝しており、つける先行の頑張りしだいで勝ち負けに絡んでくる。
22歳の木村皆斗(茨城・119期)は、記念は今回で今年8場所目になり、準決勝に2度進出している。先手を取れば波乱の主役になってもおかしくない。
山口健治(やまぐち・けんじ):1957年1月、東京都荒川区生まれ。競輪学校38回生卒業チャンピオンとしてデビュー。主なタイトルは日本選手権、競輪祭(2度)。09年1月引退。現在「スポーツ報知」評論家。