2026年W杯北中米大会に向けたアジア2次予選が開幕する。日本サッカー協会(JFA)が11月8日、初戦ミャンマー戦(16日・吹田)、2戦目のシリア戦(21日・サウジアラビア)に臨む26人を発表した。
森保一監督は「2次予選は甘くない」とした上で、登録メンバー23人よりも3人多く招集。負けるはずのない2次予選にあえて「現在のベストメンバー」(森保監督)を選んだ。
W杯予選は各国の代表監督に招集する優先権がある。海外組がほとんどの森保ジャパンにあって、「欧州各国→大阪・吹田→サウジアラビア」という長距離移動を強いられる。これに「キツイですよ。正直」と、異議あり!の声を上げているのが、チーム最年少の久保建英だ。
11月は久保を筆頭に、欧州チャンピオンズリーグ(CL)に出場する選手はミャンマー戦の2日前に帰国する超強行軍となる。今季の久保は所属するスペイン1部リーグのレアル・ソシエダードで絶好調。世界最強レベルのクラブが集まるCLでも抜群の存在感を見せているが…。
「久保が日本代表の長距離移動について不満を言ったのは、チームでの序列が主力扱いではないからです。もともと、それに対する苛立ちがある。JFAの中には久保はスタンドプレーが多過ぎるとハッキリ口にする幹部もいるだけに、致し方ないことですが」(日本代表担当記者)
海外組のメンバーについては、
「もちろんビシネスクラス以上のシートで帰国します。JFAがANAとスポンサー契約したこともあって、搭乗口も政財界のVIPが使う入り口から乗り込む。今回の遠征もチャーター便を利用する区間もあるなか、久保が『キツイ!』と吐いていることに『僕はそんなことを言える選手じゃないですから』と皮肉を込める選手もいますよ」(前出・日本代表担当記者)
森保監督が定める攻撃的MF陣の「序列」の中でも、久保は三笘薫や伊東純也らより下の「2番手」。ドイツら強豪を撃破して向かうところ敵なしの森保ジャパンだが「久保のストレス」がチームの火種となる可能性は十分ありなのだ。
(小田龍司)