新宿・歌舞伎町のホストが20代の客の女性にカッターで切り付けられた刺傷事件は、現場の動画が出回ったことで、大きなニュースになった。これが今、「ホスト界の帝王」と呼ばれた実業家のROLANDへと飛び火している。
これまた大きく報道された「頂き女子りりちゃん」は、複数の男性から多額の現金を騙し取ったとして逮捕されたが、その貢ぎ先はホストだった。歌舞伎町や新大久保界隈で路上に立つ女性も、稼いだ金のほとんどをホストクラブに使っているという。つまり、全ての悪の根元にはホストがいる、という論理が出来上がる。
となれば「ホストを美化しているROLANDはテレビに出るべきではない」「ホストが正当化されたのはROLANDの影響が大」という流れだ。
元祖カリスマホストで実業家の頼朝氏は、こうした状況をどうみているのか。頼朝氏はかつて、歌舞伎町のホストクラブ「TOP DANDY」のNo.1ホストであり、シャンパンコールを生み出し、2000年代初頭のホストブーム立役者のひとりだ。
「男性も女性に何千万円も使って、トラブルが起きることがありますよね。表沙汰になっていないだけで、男女のいざこざでは実際に、こういったことがあることはわかるでしょう。女性の遊び場として近年、ホストクラブが興隆しています。カジュアル化して誰もが入れるようになったこと、さらには女性の稼ぎが多くなったことも、自分の金で好きに飲む、大金を使って男をツバメ化する、という行動へとつながっています。でもあの切りつけ事件は、なんとなくあのおふたりは恋愛枠の話に見えますよね。内勤業も含め、ホスト界には一般の物差しでは測れない恋愛事情がありますが、傷害事件を引き起こすまでになったらダメですし、相手の限度を超える金額を払わせないのもセンスかなと」
様々な問題を抱えながらも需要は絶えず、市場拡大していったホスト業界。頼朝氏が続ける。
「ホストも需要に答えるべく、 今後はイメージアップに努めないといけないですよね。個人的にはそろそろ、色より質のサービス、接客クオリティーを追求する。そして、次のホストクラブのトレンドとして、スマートな遊び場になっていってほしいと思っています。今もホスト事情についての質問をよく受けるので、市場調査のため、そして若返り目的も兼ねて、たまに現場に出てみようかなと(笑)」
スマートな営業で知られた頼朝氏ならではの提言。ホスト業界はどう変化していくか。
(小津うゆ)