11月18日、創価学会は池田大作名誉会長が11月15日に老衰で死去していたと公表した。95歳だった。
1960年に創価学会会長に就任して以降、池田氏はそれまで約140万世帯だった国内会員を、800万世帯超にまで拡大。1964年には創価学会を支持母体とする公明党を創設したほか、1999年に始まる自公連立への道筋をつけた陰の立役者でもあった。
そのカリスマの死にまず衝撃を受けたのが、原田稔会長(2006年就任)率いる学会指導部だった。創価学会関係者が指摘する。
「学会は今、会員の高齢化などにより、組織の弱体化が進んでいます。その顕著な表れが、選挙での集票力。例えば衆院選の比例票でみると、2003年から2009年までは約800万票で推移していたものが、2014年以降は約700万票に落ち込んでしまった。池田名誉会長の死によって、組織の結束力がさらに弱まっていくのは確実でしょう」
そんな中、公明党と連立を組む自民党も、危機感を募らせている。
「自民党所属の衆院議員の場合、学会員による1小選挙区あたりの得票数の底上げ分は、約2万票と言われています。ただでさえ学会組織の弱体化が年々進んでいるところに、絶大な求心力を持つカリスマ指導者がこの世を去った。当落線上をウロウロしている若手や中堅議員からは『もはや2万票の底上げは期待できない。次の選挙は絶体絶命のピンチに追い込まれる』などと、悲鳴に似た声が上がっていますね」(自民党関係者)
問題は当落線上の議員だけにとどまらない。学会組織の弱体化に歯止めがかからなければ、自公連立にも大きなヒビが入りかねないのだ。
カリスマ指導者の死は今後、永田町の政界地図を大きく塗り替えていくかもしれない。
(石森巌)