公明党が旧統一教会の動向を注視している。年内にも行われる可能性がある次期衆院選で、公明党の選挙区候補に「宗教戦争」を仕掛けてくるのではないか、というのだ。旧統一教会は長年支援していた自民党政権に解散命令請求を出され、裏切られたとの思いは強い。その矛先が公明党・創価学会に向くのだと…。
保守勢力である日本会議関係者は、旧統一教会の解散命令請求について、
「残念なことだが、創価学会の集金システム、公明党と創価学会との関係、政治との関係が全く検証されていない。そこも当然、議論をするべきだと思っている」
「保守の女神」といわれる櫻井よしこ氏は以前から、
「旧統一教会と自民党の関係とともに、政治と宗教との関係は公明党、創価学会が政権にどのように関与しているかも、検証しないといけない」
との趣旨の発言を繰り返していた。だが現実は旧統一教会だけに解散命令請求が出され、「魔女狩り」のごとく自民党との関係が叩かれている。保守陣営からは「創価学会だけが勝ち組かよ」という声も聞こえてくるのだ。全国紙政治部デスクが解説する。
「安倍晋三元総理を支持していた保守勢力は、中国寄りの姿勢を崩さない公明党とは潜在的に相容れません。岸田文雄総理に代わる総裁候補がいないので、衆院選で公明党を崩すことで、総理を引きずり下ろすことを想定しています」
そのために旧統一教会が動くかもしれない、というわけなのだ。
「創価学会は信者に高額献金を要求しています」
「聖教新聞の購読を強要されていませんか。しつこく勧誘されていませんか」
「特定候補に票を入れようという電話は切りましょう」
「開票日に一緒に選挙に行こうと誘われても断って下さいね」
そうしたことが書かれたビラを集中的に配るなど、嫌がらせのようなことはできるのだとして、前出の政治部デスクは、こうも言う。
「政教分離を意識させるような公明党崩しは、過去にもありましたから」
衆院選が行われれば、公明党は大阪の4選挙区で日本維新の会と全面対決の構え。また埼玉14区で公明党は石井啓一幹事長が出馬する予定だが、維新もここに対抗馬を立てる。そこに旧統一教会が「ステルス勢力」として動けば…。公明党関係者は、
「うちは何があっても勝つだけです」
と、あくまで強気なのだが…。
(健田ミナミ)