飲食代の売掛金を回収する目的で、自身が働く歌舞伎町ホストクラブの女性客を殴ったとして、恐喝と傷害の容疑で住所不詳のホスト、瀬井聴弥容疑者が11月16日に逮捕された。また、17日には女子高校生に酒を提供したとして、歌舞伎町のホストクラブを経営する堤一彰容疑者が、風営法違反(20歳未満への酒類提供)容疑で逮捕されている。警察庁長官は16日に会見を行い、次のように語った。
「悪質なホストクラブの取締りを強化したい。匿名・流動型犯罪グループが悪質ホストクラブの背後で不当に利益を得ている可能性も視野に入れ、対策を強化している」
警察が危機感を抱いているのは、悪質なホストやホストクラブと反社の関わりだという。夜の街を取材するジャーナリストが解説する。
「今年1月、沖縄県那覇市の性サービス店で複数の女性を働かせる場所を提供したとして、経営者と店長の男が売春防止法違反容疑で逮捕されました。働いていた20代の女性は、都内のホストクラブに未払い金があったということです」
コロナ禍でも時短休業要請を無視して、歌舞伎町のホストクラブは営業を続けていた。一方で、都内性サービス店の客数は激減。ツケがたまったホスト客の女性は、地方へ出稼ぎに行くことが増えた。
「沖縄での逮捕劇をきっかけに、ホストがスカウトマンと手を組んで女性客を性サービス店に紹介することが、なかなかできなくなりました。そこで今度は足がつかないように、立ちんぼや海外の店など、さらにブラックな業務斡旋に移行していったのです」(闇社会関係者)
今年10月、パパ活をめぐる詐欺罪で逮捕された通称「頂き女子りりちゃん」の貢ぎ先だったホストが、組織犯罪処罰法違反の疑いで逮捕された。
「この異例の逮捕が、今回のような悪質なホストを一掃する決め手になったんでしょう」(前出・ジャーナリスト)
今後も浄化作戦により、歌舞伎町は一気に変わっていくのだろうか。