プロ野球・巨人の阿部慎之助新監督がサプライズ発言だ。「ニッポン放送ショウアップナイターカンファレンス2024」で、来季の開幕投手に戸郷翔征投手を指名。同じ壇上にいた戸郷は「今、知りました。混乱しているけど、嬉しいし、やらないといけない」と驚きの表情で話した。
ただ、戸郷は2年連続チームトップとなる12勝を挙げているとあって、阿部監督は「誰もが認める投手陣のリーダーですから」と話していたが、実際は違う。
巨人の投手陣はオフに入っても火の車状態に変わりはない。昨季のチーム防御率3.39はリーグ5位だったが、戸郷以外、いまだに確実に計算できる投手がいない。来季の先発ローテーションは、東京ドームで行う阪神との開幕3連戦は戸郷―グリフィンー赤星優志、続くビジターで中日とのカードは山崎伊織―菅野智之―メンデスが予想され、ひとまずこれで回すしかない。戸郷の12勝に続くのは昨季初の2桁10勝を挙げた山崎がいるが、2020年には右ひじのトミージョン手術を受けているため無理はさせられない。
「先発の駒が足りないから2年連続ローテーション入りして今季11勝したオリックスの山崎福也をFAで獲得しようとしましたが、移籍が決まった日本ハムより条件が上の4年10億円を提示して見事にフラれてしまった」(巨人担当記者)
阿部監督は「傷心の一人旅に出ようかな」などと自虐的なコメントをしていたが、これはホンネもホンネ。どう計算しても先発の駒が不足している上、
「これまでの実績から行けば2018年から4年連続開幕投手だった菅野ですが、とても期待できない」(前出・巨人担当記者)
そんな菅野に対しての否定的な見方に「それは違う」と主張するのが5年ぶりの古巣復帰となる内海哲也投手コーチだが、34歳になった菅野は今年わずかに14試合の登板で4勝しか挙げていない。
阿部監督にこの日、開幕投手を突然通告された戸郷は「監督を必ず胴上げする」とコメントしていたが、表情はずっと硬いまま。それが全てを物語っていた。
(小田龍司)