2年連続Bクラスに沈んだ巨人は、首脳陣の陣容が大きく変化した。成績不振の責任を取る形で原辰徳前監督(65)が辞任。その後任として阿部慎之助監督(44)が誕生した。巨人球団関係者が内情を語る。
「実は、ギリギリまで阿部監督でいくか決まりませんでした。原前監督との契約が1年残されていて、フロントは頭を抱えていた。毎度ながらコーチに責任を取らせて再起を図ろうとしましたが、予定外にも阿部ヘッド(当時)が辞任する意向を周囲に漏らしていたといいます。というのも、今季のスタメンや継投などの采配はすべて阿部ヘッドに任されていた。Bクラスでフィニッシュした責任をみずから被ろうとしたのでしょう」
貴重な監督候補の流出は伝統球団の大損失となる。急転直下で禅譲路線が前倒しされた。
「山口寿一オーナー(66)に肩を叩かれる形で原前監督の退任が決定。あくまで『辞任』で『阿部を後継者に指名』という構図にした。指揮官を退いても、『オーナー付き特別顧問』としてチームに影響力を残しています。原前監督が引っ張ってきた安藤強2軍ヘッドコーチ(59)や久保康生巡回投手コーチ(65)は来季も残留しますからね。それでも、来季の首脳陣は一部を除いて、阿部新監督のリクエストに沿う形で集められたといいます」(巨人球団関係者)
その筆頭格が右腕となる二岡智宏ヘッド兼打撃チーフコーチ(47)だという。
「20年に阿部新監督が2軍監督に就任した時の3軍監督。当時からファームの選手のコンディションや性格に至るまで密に連絡を取り合う仲でした。実際、今季のイースタンでは二岡ヘッドが率いて優勝している。その手腕も見込まれて推薦したようです」(スポーツ紙デスク)
二岡といえば、あのスキャンダルがすぐに思い浮かぶ。それもあって、ファームから1軍への環境の変化を危惧する声も絶えないという。
「これまでファームはデーゲームが主体で、いわゆる規則正しい生活を送る必要があった。ところが、ナイターが基本の1軍となれば、夜の深い時間に酒を飲む機会も増えてしまう。08年に、フリーアナウンサーの山本モナ(47)と不倫スキャンダルを撮られてトレードに出されましたが、似たようなスキャンダルの再燃を危ぶむ声が出ています」(スポーツ紙デスク)
逆に日本ハムからトラブルメーカーとして巨人に入団してきた、中田翔(34)はFA移籍が濃厚だ。
「来季のファーストは主砲の岡本和真(27)で固定することが公言されている。となると、新体制で構想外になる1人です。自然と若手たちが集まる『親分気質』も、唯我独尊タイプの阿部監督とは水と油の関係。推定3億円の年俸ながらオプトアウト条項も付いているだけに、出場機会を求めて他球団に移っていくのは必然でしょう。家族の生活圏であり、DHのある在京パ・リーグ球団への移籍を希望しているといいます」(スポーツ紙デスク)
しかしながら、戦力として期待できても高額な年俸と素行面での〝前科〟がネックになるのは事実だろう。
「現状、中田のケツを持てるのはオリックスの福良淳一GM(63)ぐらいでしょう。ハムの若手時代、3年間にわたって2軍でくすぶっていた中田に『ガニ股打法』を指導して大成させた過去がある。ファーストとDHがメインになりますが、起用の幅を広げるために『レフトもやれ』と命令できるのも福良GMだけ。ケガがちな主砲の杉本裕太郎(32)や今季首位打者の頓宮裕真(26)らとの併用も可能です」(パ・リーグ関係者)
3連覇中のオリックスが狙うのは右の主砲だけではない。なんと左の巧打者にも触手を伸ばしているのだ。
「広島の西川龍馬(28)と相思相愛です。昨オフにFA権を行使せずに残留して、表向きには『決め手は新井さん』と新井貴浩監督(46)との絆をアピールしましたが、本当の理由は、移籍市場に同じ左の巧打者・近藤健介(30)と森友哉(28)がいたこと。相対的な評価で安く買い叩かれる心配が減る今オフを狙っていた」(スポーツ紙デスク)
しかも、今年はエースの山本由伸(25)のポスティングマネーで資金面が潤沢となる見込みだ。
「昨オフの吉田正尚(30)は約22億円でした。山本はその倍以上の金額が譲渡金として入る予想です。西川の獲得にも金に糸目を付ける必要がありませんからね」(スポーツ紙デスク)
まさか、金満球団の勢力図にも変化が訪れていようとは‥‥。