コロコロと大転落で引退の危機だ。男子ゴルフの池田勇太が、山口県下関市の下関ゴールデンGCで行われた、来季前半戦の出場権を懸けた最終予選会(ファイナルQT)に出場したが、右手痛のため棄権した。14年連続シードを獲得してきた池田だが、今年は賞金ランキング69位と低迷していた。ゴルフライターがその理由を解説する。
「池田は前傾が深い構えからゆったりとボールを打つまで、頭の位置を動かさない安定したスイングと、環境に柔軟に合わせることができる対応力、距離感、スイングの正確さ、集中力でトップに上り詰めました。ところがここ数年は、思うようなストロークができていません。原因はケガです。首痛や顎関節のズレによって体のバランスが崩れ、股関節の痛みなどを併発した。特に今年は万全の状態ではありませんでした。歯を削る手術を複数回受け、2024年初めにも再手術を受けるといいます」
ツアー21勝のレジェンドだが、2019年の「~全英への道~ミズノオープン」から優勝できていない。来年は生涯獲得賞金ランキングで25位以内の選手が使える1年シードを使うこともできるのだが「無理して出る必要はない」と、行使しない様子。
「12月22日に誕生日を迎え38歳となりますが、顎関節にかかわる手術がずっとうまくいかなければ、引退も考えているようです。メディアの前では言葉使いが荒く、悪態をつき、ふてぶてしく振る舞っていますが、実は繊細な一面を持ち併せている。精神的に追い詰めることがなければいいのですが」(前出・ゴルフライター)
片山晋呉や小田孔明らベテランも賞金シード落ちして、世代交代が進んでいる男子ゴルフ界。ネームバリューがある有力者がどんどん、減っていってしまうのだろうか。
(田中実)