「鼻詰まり」が気になって夜なかなか寝つけない‥‥。しかし、日中は症状が軽減、夜に悪化を繰り返すケースも多い。
原因のひとつに挙げられるのが副交感神経の活発化。夜間、副交感神経が優位になると、鼻の粘膜が膨張しやすくなり、鼻詰まりが悪化してしまうのだ。また、仰向けに寝ると鼻粘膜への血流が増加し、鼻粘膜は膨張しやすくなる。日中の活動時に重力によって排出されていた鼻水も体を横にすると鼻腔内にとどまってしまう。自律神経の乱れが鼻粘膜に悪影響を及ぼすこともある。
「鼻詰まり」にはいくつかの対処方法がある。1つ目は「腋の下にボールやペットボトルなどを挟む」こと。左の鼻が詰まっている場合は、右の腋に、右の鼻が詰まっている場合は左の腋に、ボールなどを挟み込む。こうすると、体の反対側の交感神経が刺激され、鼻の通りがよくなると言われているのだ。ただし、効果は1~2分程度の一時的なもので、強く挟んだり、長い時間挟んでいたりすると腕がしびれてしまうため、注意が必要だ。
2つ目は、「交感神経を刺激する体操を行う」こと。体の後ろで手を組み、親指を下に出すようにして手のひらをひっくり返す。そのまま腋を締め、息を吐きながら体を前の方に倒していく。この姿勢を20秒キープする。これだけで、鼻詰まりの解消が期待できるという。手を組む際には、小指と薬指を絡ませることがポイントとなる。
3つ目は、「鼻や体全体を温める」こと。温めた蒸しタオルを用意し、鼻や体を温めると血行がよくなり、鼻詰まりが改善されるのだ。
試しやすい方法から実践することがおすすめだ。ただし、症状が改善しない場合は、早めに耳鼻咽喉科を受診することをオススメする。
田幸和歌子(たこう・わかこ):医療ライター、1973年、長野県生まれ。出版社、広告制作会社を経てフリーに。夕刊フジなどで健康・医療関係の取材・執筆を行うほか、エンタメ系記事の執筆も多数。主な著書に「大切なことはみんな朝ドラが教えてくれた」(太田出版)など。