社会

医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<中性脂肪>「万病の元でも自覚ゼロ。定期検診を受けるべし」

 健康診断を受けることが多いこの季節。日頃意識していないが、健診結果で「中性脂肪が高い」と注意を受けても、ピンとこない人も多いかもしれない。

 脂肪には「中性脂肪」のほか、腸の周りなどのおなか付近につく「内臓脂肪」、おなかやお尻、太腿など皮膚のすぐ下につく「皮下脂肪」がある。

「中性脂肪」は、体内でエネルギー源となる糖質が不足した時に、それを補うために使われ、糖質を使いきれずに余ると、内臓脂肪や皮下脂肪になる。本来は体に重要な役割を果たしているが、増えすぎると肥満や動脈硬化などにつながる可能性があるのだ。

 正常値は、1dlの血液中に30~149mg。中性脂肪値が高くなると、善玉のHDLコレステロールの減少とともに、悪玉のLDLコレステロールが増加し、血液がドロドロ状態になる。脂質異常症や糖尿病、ネフローゼ症候群、甲状腺機能低下症などを患う可能性もある。また、脳卒中、狭心症、心筋梗塞、腎不全などの危険因子にもなる。

 基準値以下の場合も注意が必要だ。体内のエネルギーが不足して、低体温、めまい、頭痛などを引き起こしたりすることもある。さらに、肝臓病や甲状腺機能亢進症、副腎機能不全などにつながる可能性もあるのだ。

 中性脂肪は、食べすぎや飲みすぎ、運動不足などが原因で増減するので、検査で高い数値が出た時は、栄養バランスのよい食事を摂る、甘いものや摂取カロリーを減らす、アルコールを控える、食物繊維や抗酸化物質、魚介類を積極的に摂る、適度な運動をすることなどを心がけるといいだろう。

 ちなみに、中性脂肪値が高くても、自覚症状はない。そのため、定期検診を受けることが大切になる。

田幸和歌子(医療ライター)

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