まさにビックリ仰天の話が浮上した。阪神・大山悠輔の契約更改をめぐり、なんともキナ臭い情報が錯綜しているのだ。
12月10日に球団事務所で契約更改交渉に臨んだ大山は、1億5000万円増の年俸2億8000万円(推定)でサインした。この際、球団は複数年契約を打診したが、大山は「単年勝負」と固辞したという。
この「単年勝負」に、周囲からは「男らしい」という声も上がるが、実はそんなに単純な話ではないようだ。在阪スポーツ紙デスクが事情を説明する。
「大山は来年、国内FA権を取得しますからね。今季のような成績を残してFAになれば、年俸はさらに上積みされる。ところが、他球団への移籍の可能性もゼロではないようなのです」
その他球団が宿敵・巨人だというから、驚きである。白鴎大学時代から大山を知るアマチュア野球担当記者は、
「彼は茨城県のつくば秀英高校出身で、大学は栃木県。特段、阪神に思い入れがあるわけではありません。むしろ、巨人ファンという話がありますからね」
来季の巨人の一塁手は岡本和真、三塁は坂本勇人でほぼ確定。その布陣なら大山の出る幕はないが、岡本の去就問題が持ち上がりかねないのだ。スポーツ紙遊軍記者は、
「岡本が強くメジャー移籍を希望していますからね。海外FA権の取得は2025年ですが、それ以前のポスティング移籍を視野に入れています。そうなれば、巨人の4番・一塁のポジションが空くことになる」
そんな有事になれば、巨人にとっても大山が加入するメリットは大きい。
「戦力としても期待できますが、ダメでも宿敵の戦力をそぐことになる。阪神チーム内の情報も得られるし、今季の大山の年俸を考えても、決して高い買い物ではありません」(前出・スポーツ紙遊軍記者)
現役バリバリの4番がライバルチームに移籍することになれば、熱烈な虎党は黙っていないだろう。そうなれば、球界が揺れ動く遺恨大騒動に発展しかねないが…。
(阿部勝彦)