誰しも黒歴史はあるもの。巨人に育成ドラフト7位で指名された平山功太の場合も、例外ではない。アマチュア時代の最終職歴は、千葉県の独立リーグ球団「千葉スカイセラーズ」の大型外野手である。在京球団スカウトが語る。
「チームが所属するベイサイドリーグで4本塁打、23盗塁というリーグ最多本塁打&盗塁を記録しました。まさに10月に巨人の入団テストを受験して指名を勝ち取った、隠し球と呼べる選手でしょう。瀬戸内高校時代から4番で中国・四国地方の担当スカウトの中では知られた存在でしたが、県ベスト8が最高成績。その名が全国区に広がることはありませんでした」
2022年に岡山県の強豪、環太平洋大学に進学するも、1年生の途中で中退。その背景には、指導者との軋轢もささやかれている。前出のスカウトが明かす。
「野村昭彦監督とソリが合わなかったようです。平山は入学してすぐにレギュラーに抜擢され、春のリーグ戦では3本塁打をマークするホープでした。ところが夏頃から野村監督に口うるさく技術指導をされることに、アレルギー反応を起こしていたそうです。野村監督と合わず、メンタルを害して大学を去るコーチや学生は他にもいたといいます。とはいえ、平山側にも全く非がないわけではない。どうも地元に師匠と崇める指導者がいて、高校時代にもその人物の指導以外には聞く耳を持たなかったといいますからね」
退学してから数カ月間を地元で「プータロー」として過ごした。球界関係者が自堕落な浪人期間を振り返る。
「毎日のように友人らとカラオケやボウリング三昧。それを見かねた両親が知人を介して、千葉スカイセラーズのテストを受けさせました。わずか数カ月のブランクでしたが、かなり体がなまっていたようで、キャッチボールさえも怪しい状態だった。当初、独立リーグ経験者でもあった球団のオーナーは『不合格』の三文字が喉元まで出かかったほどだったといいます。そんな中、一緒に視察した西村徳文GMの『コイツはプロに行ける』という進言を得て、獲得を決めたらしい。平山の体格に伸びしろを見出したのかもしれませんね」
身長185センチ、体重82キロの外見は、見かけ倒しではなかったのだろう。履歴書の空白期間をガン無視できるほどの活躍に期待したい。