とんだ見込み違いだった――。
国内FA権を行使した西武ライオンズの平井克典投手が埼玉県所沢市の球団事務所で契約更改交渉に臨み、1000万円増の推定年俸9000万円で合意した。2022年オフの契約更改で、球団は3年契約を提示していたが、平井は固辞。FA移籍する気マンマンだったのだが、結局、今オフは宣言残留することになった。
「2019年には81試合に登板したほどのタフネスぶりと、キレのあるスライダーで右打者には類い稀な強さを誇ります。ブルペンが弱点の前巨人監督・原辰徳氏が気にかけていて、今オフは巨人入り目前と言われていましたが、原氏が任期途中で辞職して阿部慎之助監督になったことで、方針が変わってしまいました。平井は西武を飛び出すつもりでいましたが、他球団からは声がかからず、心ならずも残留する流れとなったわけです」(スポーツ紙デスク)
FA権を持つ戦功者への提示額が1億円に届かず、複数年契約もわずか2年だけ。再契約金はなしだった。西武のシブチンぶりが目立つが、
「平井サイドがハナから『残留』だけを考えて交渉に臨んでいたら、球団サイドも気前よく手厚い契約を提示していたでしょう。が、移籍ありきの煮え切らない態度が気に入らなかったのでしょう。雇った代理人も悪かったのか、交渉下手ですよ。相当、厳しい契約内容となってしまいました。コーチ手形の提示等もなかったようで、平井サイドは不満顔でした」(前出・スポーツ紙デスク)
交渉中には球団サイドから「正直、活躍できるのは長くないよね」と辛辣な言葉を投げかけられたという。まだ31歳の平井。活躍を続けて、2年契約終了後には大型契約を勝ち取ることができるか。
(田中実)