現役引退した小野伸二の最後の試合となったJリーグ最終節「コンサドーレ札幌対浦和レッズ」(12月3日)。Jリーグの試合はDAZNが独占配信しているため地上波で放送されることは少ないが、この試合はNHKが中継して日本を感動の渦に巻き込んだ。だが、小野のラストを放送する予定は当初はなく、偶然の産物によってそれが可能になったという。小野の盟友・播戸竜二氏が前園真聖氏のYouTubeチャンネルで明らかにした。
播戸氏は9月にコンサドーレ札幌OBの試合に出場するため札幌へ行き、そこで小野と会食。12月3日の試合で引退することを知らされた。そこでプライベートでの観戦を決め、同日の別の試合の解説依頼を断ったという。すると後日、NHK北海道から解説のオファーが届き、仕事として小野のラストを見られると喜んだとか。当初はNHK総合での放送は予定されていなかったそうで、播戸氏がこう明かした。
「本当は優勝がかかるヴィッセル神戸か横浜F・マリノスの試合を放送する予定だったんです。でも前節でヴィッセルが優勝したので小野の引退試合になりました。こうして全国放送の解説を務める福西(崇史)さんと2人で解説することになった」
先発出場した小野は前半22分で交代。播戸氏は解説できないほど号泣。福西氏が解説して事なきを得たが、もし全国放送されずに播戸氏が1人で解説していたら、あわや放送事故という事態だった。
本来なら放送されなかった最後の試合が放送された小野。やはりレジェンドは「持っている」ようだ。
(鈴木誠)