2006年のW杯ロシア大会で日本代表を決勝トーナメント進出に導いた名将・西野朗前代表監督が、教え子の前園真聖氏に厳しい要求を突きつけた。なんと「指導者になれ」というのである。
そんな厳命が飛び出したのは、前園氏のユーチューブチャンネル「おじさんだけど、遊んでもいいですか?」で6月27日に公開された動画でのこと。
96年のアトランタ五輪の初戦のブラジル戦を振り返ったトークの後、西野氏が、
「一度指導者になって。世界を経験した選手は指導者になって感じることもある。サッカーの見方が変わるところもある」
と前園氏に要求した。
当時の五輪代表は前園氏を始め、中田英寿氏や松田直樹氏、城彰二氏と主張の強い選手ばかり。西野監督は手綱を握るのにかなり苦労したようで、
「(前園に顔を近づけて)こうやって攻撃する選手もいる」
と暴露。そんな自分と同じ苦労を一度味わうべきとの思いが「指導者になれ」という言葉につながったようだ。
今はタレント活動が目立つ前園氏だが、西野氏のそんな焚きつけに「(今後は)指導者の話も聞いてみたい」とまんざらでもない様子だった。
実際、前園の監督就任はあるのか。サッカーライターが語る。
「攻撃の選手よりも、チーム全体を見る守備の選手のほうが監督に向いていると言われています。日本代表監督を振り返ってみると、森保一監督はボランチ。西野氏は攻撃的ミッドフィルダーですがセンターバックもこなせます。岡田武史氏はディフェンダーと、やはり中盤から後ろの選手が多いですね。逆に監督に向かないのは野性的なカンを持つ攻撃の選手だとされていますが、前園は残念ながらこのタイプ。監督に必要なS級ライセンスは12年に取得していますが、10年以上経ってもオファーがないということはこの先も難しいのではないでしょうか」
ただ、13年のタクシー運転手暴行事件がなければ、すんなり指導者のオファーがあったかもしれない。