新年が明けたが、昨年に引き続き「悪質ホスト問題」は、その動向が注目されそうである。昨年12月には新宿区長と歌舞伎町ホストクラブ13グループの各代表による話し合いが行われ、売掛の割合を段階的に減らしていき、今年4月から廃止にする方針を明らかにした。それからおよそ1カ月、歌舞伎町のホストの間では、ある変化が起きているという。
「新規で若い女性客が入ってきても、あまりガツガツ営業しなくなりました。とりわけ立ちんぼやパパ活で生計を立てているとわかった場合は、相手にしていません。実際に新人ホストにも『収入源がよくわからない客を相手にするな』と教えています」
そう語るのは、ホストクラブに勤務する27歳の男性だ。少し前までは立ちんぼやパパ活で稼いでいる客にも営業をかけるようにと、新人ホストを教育してきた。だが、売掛廃止が発表された今では、事情が変わった。あの「頂き女子りりちゃん事件」も大きく関連しているといい、
「りりちゃんの指名ホストが、詐欺で得た金と知りながら貢がせていたことで、『組織犯罪処罰法違反』で逮捕されましたよね。だから客が大金を使ったとしても、それをどうやって稼いでいるのかをホストは聞いてはいけない、という暗黙のルールができました。もしそれを知ってしまったら、自分達も同じように逮捕されるおそれがあるからです」(前出・歌舞伎町ホスト)
立ちんぼも昨年末から取締りが厳しくなっており、稼ぐことが難しくなっている。彼女たちは売掛で飲むことが多いため、「飛ばれる」リスクは高い。
「なので今は、売掛をしない『ニコニコ現金払い』のお客さんへの営業に力を入れています。今は不安定な夜の職業よりも、女性社長や管理職OLの方が安心感がありますね」(前出・歌舞伎町ホスト)
最近の顧客層について尋ねてみると、30代から40代の昼職女性が増えているという。売掛の廃止とともに、今後のホストクラブは若い女性が無理して通うところではなく、余裕をもって楽しむことができる大人の女性の社交場へと変化していくかもしれない。