新宿・歌舞伎町のホストクラブが、ついに「観念」した。借金返済のための立ちんぼ女性を生み、傷害事件にまで発展した売掛システムにメスが入るのだ。
12月5日に方針を示したのは、20歳未満の入店禁止のほか、売掛をホストと女性の個人間でなく店舗管理とすること。女性客に高額な借金を背負わせ、性サービス店で働かせる悪質ホスト問題が社会問題化している中、これは解決策となるのだろうか。
新宿では売掛が禁止になる方向だが、ホストクラブは全国至る地域にある。11月22日、大阪府警は営業実態の把握やトラブル防止のための指導を目的とした一斉立ち入りを実施するため、大阪市北区、中央区のホストクラブを回った。
大阪では今のところ、ホストクラブの売掛が禁止になるメドは立っていない。これに対し、
「表立ってはいないけど、大阪にも悪質ホストはいる」
と語るのは、ミナミのホストクラブに勤務する30代男性だ。
「売掛は飛んでしまうリスクがあるため、僕は(客に)させていないのですが、若いホストの中には無理して高額な売掛で売り上げを作る者も多いです。売掛をさせた客の大半には、梅田の路上での立ちんぼを促して返済させる…なんて話も聞きますね」
昨今、歌舞伎町の大久保公園同様に問題となっているのが、大阪・梅田の兎我野町にある「アメリカン通り」や、ミナミの路上で客を引く立ちんぼ達だ。8月以降、大阪府警はこの立ちんぼの一斉摘発を続けているが、逮捕されたほとんどの女性たちが「ホストの売掛を返済するため」と話している。つまりは、
「見栄のために売り上げを作っているホストが多い」
と、先のホスト勤務男性は言うのだ。その理由には、東京では最近見かけなくなった「あるもの」が関係しているという。ミナミのホストが続ける。
「都内では今年4月に、アドトラこと広告トラックが規制されました。大阪はまだ規制されていないので、ミナミや梅田の街中で走っているのをよく見かけます。アドトラに『売り上げ年間〇億円』と書いてあると、ホストにとっていい宣伝になるんですよね。そのために、無理してでも売り上げを作るホストは少なくはありません。大阪でも売掛を禁止するのであれば、まずは都内同様に、アドトラの規制から始めるべきだと思います」
悪質ホストを根絶やしにするためには、まずはホストの見栄という根本から絶たないといけないようだ。