超人気サッカー漫画「キャプテン翼」の、シリーズ漫画としての連載が、4月に終了することがわかった。作者・高橋陽一氏の体力の衰えや執筆環境の変化により、漫画を描くことが困難になってきたことが理由とされている。
「キャプテン翼」は1981年に「週刊少年ジャンプ」で連載開始。主人公・大空翼と岬太郎の息もつかせぬコンビネーションプレー、「オーバーヘッドキック」といった斬新なゴールシーンはサッカーファンのみならず、当時の少年少女の多くがマネしたものだ。
1988年には一度「幕」が下ろされるも、1993年にワールドユースの特別編が短期連載され、翌1994年から全日本ユースのキャプテンとなった翼を描いて連載再開。以降、「週刊ヤングジャンプ」「グランドジャンプ」「最強ジャンプ」など、需要に伴って展開の場を変え、連載の終了と再開を繰り返してきた。
現実世界に多大な影響を与えてきた代表的な作品だが、連載開始時に日本サッカー協会が行った調査によれば、サッカー少年の数は約11万人。当時の日本サッカーはワールドカップの予選通過すらままならず、弱小レベルだった。
ところが連載が一時終了した1988年には、約2倍の24万人にまで増えていたという。日本にサッカー熱が蔓延した「Jリーグ」の開始は1993年。惜しくも3敗でグループリーグ敗退となったが、1998年にワールドカップ初出場を果たす。「キャプテン翼」の人気が後押しした、と言っても過言ではないかもしれないのだ。
実はこの連載終了が「キャプテン翼」に与えるいい影響もあるという。漫画業界関係者が語る。
「ほぼ同時期に連載が開始された『北斗の拳』の発行部数が1億部を突破したのは、ここ最近のことです。映画化やスピンオフ漫画の連載など、話題が尽きることはありませんでした。『キャプテン翼』の全世界シリーズ累計発行部数は9000万部とされていますが、連載終了を聞いたファンが『1億部を目指せ』とばかりに熱を入れていると聞きますから」
夢の大台に届くか。
(所ひで/ユーチューブライター)