「藤田菜七子がデビュー4年目に記録したJRA女性騎手年間最多勝記録(43勝)をあっさりと抜いた大型ルーキーの今村聖奈ですが、実はそれどころじゃない大記録が目前に迫っているんです」
競馬関係者が興奮気味にそう話す記録は「デビュー年JRA通算50勝」である。続けて、
「今村は10月29日に通算51勝目(地方の4勝を含む)を挙げ、負担重量がそれまでの4キロ減から3キロ減になって以降、1勝で足踏みしていますが(12月4日終了時点)、実はデビュー年に50勝以上を記録したのは、過去に4人しかいないんです。加賀武見(60年、58勝)、武豊(87年、69勝)、福永祐一(96年、53勝)、三浦皇成(08年、91勝)。今村は12月4日終了時点でJRA通算48勝を記録していますから、年内にあと2勝すれば史上5人目。もちろん女性騎手としては初の快挙です」
ちなみに、今村がレースプランなどの事前準備の大切さを教わっている「師匠」の福永は、デビュー年に53勝しているものの、重賞は21戦0勝。一方、今村は初めて重賞に騎乗した7月のCBC賞で、勝利を収めている。スポーツ紙記者も舌を巻いて、
「ユタカさんですら、重賞初勝利は10月の京都大賞典ですからね(重賞は計3勝)。いかに彼女が逸材かがわかると思います。先ごろ調教師試験に合格した福永の新人記録まで、あと5勝に迫っている。12月18日までは3場開催(中山・阪神・中京)で騎乗機会も多いでしょうから、福永の記録を上回ってもおかしくありません」
今村は今週土曜日(12月10日)に中京で行われるハンデ重賞「中日新聞杯」で、コトブキテティスに騎乗予定だ。
「最軽量ハンデの51キロですし、彼女が重賞2勝目を挙げるチャンスは十分あると思います」(前出・スポーツ紙記者)
これから年末まで、今村の「師匠超え」なるかに注目だが、将来、福永調教師&今村騎手の「師弟コンビ」がターフを沸かせる日も、そう遠くないかもしれない。