西武ライオンズは1月11日、国内FA権を行使してソフトバンクに移籍した山川穂高の人的補償として、甲斐野央投手を獲得したと発表した。山川の人的補償をめぐっては11日朝に一部スポーツ紙が、和田毅投手を指名する方針を固めたと報道。同日昼にはテレビ西日本が、西武がソフトバンクに和田の指名を打診していたことがわかった、と伝えていた。
ところが結果を見れば、それがひっくり返ったことになる。西武は和田獲得を打診していたが、その影響とハレーションの大きさから、再協議して甲斐野を正式指名することになったのである。
大混乱の裏で何が起きていたのか。球界関係者が明かす。
「人的補償を要求する場合、双方で発表前に下交渉が行われ、『この選手でいきます』『わかりました』『では、この時間に発表しましょう』といったやり取りが交わされます。その下交渉段階でのやり取りが、外に漏れてしまいました。この時代、情報漏洩はNG。もし情報を外部やメディアに漏らした者がいた場合は、相当重い処分を科せられることになります」
最重要極秘事項であるプロテクトのリストが漏れる、という前代未聞の大失態。一部報道では甲斐野、和田の他に三森大貴、柳町達もプロテクトから外れ、指名の最終候補に残っていたという。
「西武、ソフトバンクとも情報管理がユルユルで、甘すぎます。大手メディアにリークしている人間が球団内にいるのは明らかで、その人物の目星はついているようです。こういったガバガバの事態を避けるためにも、発表されるまで徹底した統制が必要でしょうね。杜撰としか言いようがありません」(前出・球界関係者)
プロテクトから外れていた事実を突きつけられた和田は、相当なショックを受けているという。一連の騒動は、あとを引きそうである。
(田中実)