ヤクルト・村上宗隆が史上最年少にして日本プロ野球8人目、ダイエー・松中信彦以来、18年ぶりの三冠王となった。10月3日の最終戦で56号ソロを放ち、巨人・王貞治が1964年にマークした55号を58年ぶりに抜いて歴代1位となるおまけ付きだった。
そんな偉業を達成した村上の陰に隠れた感はあるが、西武・山川穂高は41本塁打で3度目の本塁打王、90打点で初の打点王を獲得。自身初となる二冠を達成する活躍ぶりで、西武のCS進出(3位)に大きく貢献した。
村上が歴史的一打を記録したその日、野球解説者の高木豊氏はYouTubeチャンネル〈高木豊 Takagi Yutaka〉で、山川を絶賛していた。
10月1日のソフトバンク戦。ソフトバンクは引き分け以上で優勝が決まるというこの一戦で、延長11回裏、山川はサヨナラ2ランを放った。その時に彼がとった行動が素晴らしかったというのだ。
高木氏は、「山川が立派だったのは」と前置きすると、次のように評したのだ。
「ホームラン打った瞬間にどういう態度を取ったか。ガッツポーズするかなと思ったら、たんたんと回るんだよね。ソフトバンクに対しての敬意があったね。ヒーローインタビューの時でも、絶対勝ちたかったとか、優勝の胴上げは見たくなかった、とかも触れずに、たんたんと自分のバッティングに触れてた」
そんな山川の態度に高木氏は「すごく心を打たれた」というのだ。
本塁打数やタイトル獲得についつい目が行きがちなこの時期に、プロとしてあるべき姿に感心し、それを伝えようとした高木氏であった。
(所ひで/ユーチューブライター)