DeNAからポスティングシステムでカブスに移籍した今永昇太投手が12日(日本時間13日午前5時)からシカゴ市内のホテルで入団会見を行った。
最大5年となれば総額8000万ドル(約116億円)という、日本選手では歴代5位となる超大型契約を掴んだのは「投げる哲学者」というニックネームがつく今永本人のスタイルが少なからず影響している。
この日の入団会見では英語で挨拶をして第一声に「HEY! CHICAGO !!(ヘイ!シカゴ!)」と発言すると、会見場では拍手喝采に包まれていた。「投げる哲学者」は、すでに米国でも「The Throwing Philosopher」と紹介されて現地でも定着しつつある。
DeNA時代から記者会見や囲み取材への対応も自分で練りに練っていた今永。最も参考にしていたのは80分以上も行われた「イチロー氏の引退会見」(2019年3月)で、今でも何度も聞き返して参考しているという。
15年のDeNA入団会見では、当時指揮していたラミレス監督のパフォーマンスである「ゲッツ!」をやったかと思えば、敗戦時に「負けた投手の名前は残らないですから」と数々の「名言」を残し、いつしかDeNA担当記者の中から「投げる哲学者」というニックネームがつけられた。
「番記者連中との関係も極めて良好でした。熱中症で倒れた記者を気遣ったりしたこともありました。昨季DeNAに在籍したバウアーから多くを盗もうと、米国で一緒にトレーニングもしていましたね。球団との関係の築き方も上手で、早くもポスティングでのメジャー移籍を要望し疑問の声も出ているロッテの佐々木朗希とは正反対です」(DeNA担当記者)
昨年のWBCでは140キロ台と160キロ近くの2種類のストレートを投げ分けるバウアーの投球術が「米国でプレーする上でとても参考になった」と話していた。唯一のウィークポイントは本塁打の被弾が多いことだが、ここまでは評判上々のMLBデビューと言える。
(小田龍司)