社会

医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<ドライシンドローム>複数の症状が組み合わさって発症する

 乾燥が気になるこの季節。手足のひび割れや肌のカサカサを、仕方がないと諦めがちだが「ドライシンドローム(乾燥症候群)」という病気の可能性もある。

 皮膚の水分や皮脂量が不足して、目、口、鼻など手足だけでなく、体のあちこちで皮膚が乾燥している状態を指す。「ドライシンドローム」は、ドライマウス(口腔内の乾燥)、ドライアイ(目の乾燥)、ドライスキン(皮膚の乾燥)、ドライバジャイナ(膣の乾燥)の4種類に分類される。ドライアイやドライマウスなど、一部位の乾燥症状だけでは「ドライシンドローム」とは診断されない。複数の症状が組み合わさって発症することがほとんどだと言われている。

 発症の一番の原因は、唾液や涙、皮脂など外分泌腺の機能低下だ。外分泌腺の働きは自律神経によって調節されているため、緊張感が高まると、交感神経が優位になり、外分泌腺を抑制してしまう。不規則な生活サイクル、仕事や人間関係による強いプレッシャー、激しい音や光を受ける環境など、日常生活でストレスに晒され続けると、交感神経が優位になるので注意が必要だ。

 他にも、空気の乾燥、加齢、スマホやパソコンによる目の酷使、睡眠不足、マスク着用による口呼吸の習慣化といった生活習慣も原因となるケースがある。

 近年では「ドライシンドローム」に特化した専門外来を設けている医療機関も増えてきているという。

 体の乾燥は、命に関わる症状ではないが、生活の質に悪影響を与えて、新たな病気の発症原因となる危険もある。

「単なる乾燥」と軽く考えず、症状が続く際は、早めの医療機関の受診が必要だ。

田幸和歌子(たこう・わかこ):医療ライター、1973年、長野県生まれ。出版社、広告制作会社を経てフリーに。夕刊フジなどで健康・医療関係の取材・執筆を行うほか、エンタメ系記事の執筆も多数。主な著書に「大切なことはみんな朝ドラが教えてくれた」(太田出版)など。

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