競馬は騎手で買え! 長年言われ続けてきた格言に従い、過去2年の冬開催で人気より着順を上げた騎手を徹底調査。勝率8%以上&単勝回収率100%超えの〝冬に強い騎手〞で正月競馬の負けを回収しよう。
まずは関東から。過去2年の1〜2月開催(中山&東京)で「勝率8%以上&単勝回収率100%以上」を満たしたのは、田辺裕信(39)と横山和生(30)だ。
田辺の詳細を見ると、3着以内の53レース中32レースで人気より上の着順を記録。しかも5番人気以下での激走が約半数の15回(2桁人気は4回)あり、ハナを切った際は〈3 2 0 5〉で、中団より前で競馬をした時は〈9 5 8 27〉と、先行すれば50%近い確率で馬券に絡んでいる。競馬ライターの後藤豊氏が話す。
「ただ、22年は重賞に38回騎乗して菊花賞を含む5勝を挙げていますが、23年は重賞に43回騎乗して2桁人気が25回、成績も〈1 1 1 40〉。23年は未勝利戦や1勝クラスでの勝率は10%を超えていますが、クラスが上がるほど勝率は落ちている。馬券は3勝クラス以下の条件戦を中心に、オープンや重賞は2、3着付けで穴を狙ってみたいですね」
年初めの3日間開催では1月7日中山11Rで12番人気の馬で3着、1月8日中山7R(1勝クラス)も10番人気の馬で2着しているように、今年も〝冬の田辺〟は健在だ。
その田辺を上回る高回収率を記録しているのが横山和である。3着以内24回のうち5番人気以下での好走が10回。単勝10倍以上の馬で5勝を挙げており、15勝中11勝が先行馬だった。
専門紙「日刊競馬」の久保木正則トラックマンは、次のように分析する。
「特に連続騎乗する際は注目しています。父の横山典弘騎手(55)と似ていて、1度乗った馬は前走と違う乗り方を試みる。それまでの成績が悪い馬でも、乗り続けることで穴を開けるケースが少なくないですね」
23年の中山での成績を見ると、連続騎乗では勝率が11%(複勝率は40%)。乗り替わりでは勝率、複勝率ともに半分以下だった。
競馬ライターの勝木淳氏も騎乗ぶりに注目する。
「馬の質では弟の横山武史(25)の方が高いですけど、和生は『どうやって勝たせるか』と考え、工夫がみられます。4、5番手のポジションにつけられそうな馬はマークしています」
1月8日中山11Rでは5番人気の馬で逃げて2着に残し、続く12R(2勝クラス)でも5番人気の馬で2番手追走から今年2勝目を挙げている。横山和は先行タイプの人気薄に乗った時が狙い目と言えるだろう。
若手の注目株は、原優介(23)と佐々木大輔(20)だ。両騎手とも前述した条件を満たしていないものの、
「原騎手のチャンピオンズC(ウィルソンテソーロ、12番人気2着)と東京大賞典(同馬で6番人気2着)の騎乗内容は見事でした。騎手としての将来性も十分です」(久保木TM)
佐々木はデビュー2年目の23年は68勝を挙げて勝率8.5%。単勝回収率も126%に大幅アップした。
「68勝のうち5番人気以下で22勝を挙げている。23年の冬開催でも10勝をマークするなど、若手の中では注目です」(後藤氏)
1月7日の中山では6番人気と8番人気の馬でともに2着。本格的に寒くなるこれからが本領発揮か!?