毎年、年末になるとメディアに注目されるプロ野球選手たちの契約更改。今年の注目はなんといっても、投手としても2ケタ勝利、打者としても22本塁打、打率.322。これぞ「神ってる」活躍で北海道日本ハムを大逆転日本一に導いた立役者、パ・リーグのMVPにも輝いた大谷翔平だろう。
すでに今年の年俸が2億円。そこからの上げ幅にメディアからもファンからも視線が注がれたが、フタを開けてみれば7000万円アップの2億7000万円。前日まで「3億円は確実」と見出しを並べていた報道陣も肩透かしだった。ましてや、野球界一のスーパースターのビッグニュースを期待していたファンは、一斉に「えっ?」と失望の声を上げた。
「記者たちの間では、日ハムは主砲で4番の中田翔選手に気を遣ったのではないかと言われています。中田は来季2億8000万円で契約を結びました。形なりにもチームの主砲で先輩の中田を、大谷が超えることは時期尚早を判断したのでしょう。それに、大谷には来季オフにメジャー移籍も容認しましたから、ここで中田の気分を損ねるのも面倒だと思ったことは確実です」(スポーツ紙記者)
チームの事情はわかるが、第三者の野球ファンこのあまりに夢のない査定に「ガッカリ」「日ハムさん、これはダメでしょ」「こんな時にだけ年功序列かよ」と、納得がいかないという声が大半。加えて、ある他球団のベテラン投手の名前まで引き合いに出され、大谷の“政治的契約”に批判が殺到してしまった。
「2015年からソフトバンクと3年契約年俸総額12億円で契約している松坂大輔が、大谷との比較でやり玉に上がってます。1年で年俸4億円をもらいながら、今では完全に不良債権。初年度は1軍登板なし、契約2年目の今年は1試合登板したものの『1回5失点』と、もはや3流以下、年俸100万円でも高いぐらいまで投球レベルが落ちました。ところが、まだ引退どころか来年も4億円を手に入れるつもりです。それもあり、大谷の“薄利”な大活躍と比べて、『リハビリだけで4億円もらえる松坂こそ神ってる』『大谷はお金を払っても見たいが、松坂はお金をもらっても見たくない。それなのに松坂のほうが1億円以上も年俸高いってバカにしてる』など、ファンが怒りの声をあげている。プロの世界は過去の実績と名前で稼ぐ人たちも多いが、ソフトバンクは日ハムの逆転優勝の前に敗れ去っただけに、松坂への風当たりは一時よりさらに強まった印象です」(週刊誌記者)
とはいえ、大谷は今後メジャーで莫大に稼ぐはずだけに、本人も来季は金額にこだわっていなかったはずだ。一方、野球人生最後の守銭奴契約で過去の栄光も人気も全て相殺されてしまった松坂は、ファンの目には哀れとしか映っていないようだ。
(佐々木たける)