長野県で「しなの鉄道線」と「北しなの線」を営業するしなの鉄道が、鉄道ファンの注目を集める発表を行った。「プロジェクト115」を始動するというニュースだ。
このプロジェクトは、しなの鉄道が所有する国鉄型車両「115系」を使って様々な企画、イベントをするというもの。115系は1963年から83年まで日本国有鉄道が製造した車両。山岳でも使えるように寒冷地対策と急勾配への対応が施され、1921台が製造。東北本線、信越本線、山陽本線など日本中で活躍した。しなの鉄道へは開業した97年から3回にわけて23編成が譲渡されている。
しなの鉄道で活躍した115系だが、少しずつ数を減らし、2028年までにすべて引退することが決定。それまでの4年間、115系の花道を飾ろうという粋な計らいだ。
そんな115系の最後の雄姿を見ようと、鉄道ファンがしなの鉄道に集結するのは確実。特に「撮り鉄」は多く集まりそうだと鉄道ライターはいう。
「しなの鉄道の115系は耐寒耐雪装備が強化された1000番台の車両で、走っている車両は少なくなっている貴重なもの。これだけでも人が集まる理由になりますが、プロジェクトの発表によると車両の塗色を変更して走らせるそうです。どの塗色になるのかわかりませんが、どれになったとしても今では貴重なので撮り鉄は長野に足繁く通うことになるでしょう」
しなの鉄道の115系はこれまで、湘南色や横須賀色(写真)になったことがある。他にも115系は新潟色や弥彦色など多くの塗色があり、これらが採用されれば撮影地はより混雑することになりそうだ。
(海野久泰)