いよいよ2月1日のキャンプインを迎えるプロ野球だが、セ・リーグ最大の見所は、今年も阪神タイガースになりそうだ。あえて補強はせずに臨むシーズンで連覇なるか、大いに注目される。
指揮を執る岡田彰布監督は昨年に引き続き、放言を連発。1月24日の講演会では、
「自分の給料を上げようと思ったら、開幕投手をやらない方がいい。開幕に投げるとずっと、各チームのエース級と当たるから。勝ち星はあんまり増えないんですよ」
と言いたい放題。さらに2日後の12球団監督会議でも、
「審判まで帽子取って頭下げてるやん。挨拶くらい試合前で終わりにしないと」
審判員への挨拶の簡略化を提言するなど、余裕しゃくしゃくで球界のご意見番と化している。在阪メディア関係者が語る。
「岡田監督は年齢的にも体力的にも、今年が指揮官としてラストイヤーのつもりで臨んでいるといいます。キャンプ地の宜野座でユニフォーム姿が見られるのは、今年が最後かもしれない。後任には岡田野球を継承できる平田勝男ヘッドコーチが急浮上しています。今年は1年間かけてバトンをつなぐ、移行期間になるとみられていますね」
岡田監督最後の年となれば、ぜひとも連覇で花道を飾りたいところだが、今年の阪神にはわずかながら、戦力的な不安が残っている。自慢の中継ぎ陣の蓄積疲労が心配され、野手では調子のムラのある選手が多いことが、懸念材料だ。
「昨年、機能した近本光司、中野拓夢の1・2番コンビは他球団に相当、研究されています。うまく機能しなくなった場合に備え、プランBを用意しておいた方がよさそうですね。また森下翔太、佐藤輝明は調子がいい時はいいですが、悪くなるとスパイラルにハマリ、スランプに陥る傾向があります。キャンプを通じてそのあたりを克服できるかが、焦点となります」(スポーツジャーナリスト)
各球団とも、今オフは戦力補強に乗り出して、勢力図が変わりつつある。果たして阪神の連覇はあるのだろうか。
(田中実)