スポーツ

まだまだ所属球団が決まらない藤浪晋太郎「ずっと後回し」の厳しすぎる実情

 藤浪晋太郎(オリオールズからFA)が八方ふさがりに陥っている。あと10日あまりでメジャーリーグ各球団の春季キャンプがスタートするが、いまだ所属球団が決まらない状況が続いているのだ。長年、メジャーリーグを取材するスポーツライターが、現状を説明する。

「ドジャース入りした大谷翔平や山本由伸の大型契約の余波で、FA市場の動きが例年に比べて遅いのは確かです。そのため、藤浪の代理人スコット・ボラス氏が抱えるサイ・ヤング賞投手ブレイク・スネル、2019年MVPのコディ・ベリンジャーらもまだ所属球団が決まっていない。ボラス氏が藤浪に本腰を入れるのは、彼らの件が片づいた後でしょうね」

 ボラス氏ら代理人の報酬は5%。大谷のように10年7億ドル(約1030億円)の契約をまとめたネズ・バレロ氏の懐には3500万ドル(約52億円)の大金が転がる込む計算だ。だが藤浪の場合、昨季の年俸は単年で300万ドル(4億5000万円)。ボラス氏が手にする報酬は15万ドル(約2235万円)となる。昨季の成績を考えれば、仮にメジャー契約を勝ち取ったとしても、報酬の大幅アップは難しい。後回しになるのも無理はないが、そもそも代理人もメジャー各球団も、藤浪レベルの選手の獲得を焦っていない。

「入団が決まったところで、現段階では藤浪が開幕ロースターの40人に入る保証はない。各球団はキャンプやオープン戦の状況を見た上で、獲得に乗り出せばいいと考えているのでしょう」(前出・スポーツライター)

 そうなれば、藤浪にとっては一大事だ。所属球団が決まるまで、単身でのトレーニングを続けなくてはいけない。阪神時代を知るスポーツ紙遊軍記者は、

「どちらかといえば、自分に甘いタイプの人間ですからね。たったひとりでどこまで自分を追い込むトレーニングができるのか。チームへの合流が遅くなれば遅くなるほど、難しい状況に追い込まれるでしょうね」

 宙ぶらりんはいつまで続くのか。もはや先発だ、メジャー契約だなどとは言っていられないのである。

(阿部勝彦)

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