一流大学のお笑い研究会から、プロになった芸人は多い。早稲田大学は宝庫といえる。1990年代には「WAGE」から5人組コントグループのWAGEが誕生した。メンバーは子どもに大人気の小島よしおを筆頭に、「キングオブコント2013」覇者のかもめんたる、ピン芸人の手賀沼ジュン、人気脚本家の森ハヤシ。全員が業界内で生き残っている。また、「早稲田大学お笑い工房LUDO」からは、「キングオブコント2018」王者のハナコの岡部大、にゃんこスターのアンゴラ村長、ひょっこりはんなどが生まれた。
「M-1グランプリ2019」の敗者復活戦で、アマチュアながらも飛躍のチャンスをつかんだのはラランド(サーヤ、ニシダ)。2人は上智大学のお笑いサークルで出会い、1年生でコンビを結成した。大学のお笑い賞レースを制して、サーヤは4年生のときに参加したお笑い団体戦「NOROSI 2018」で漫才、コント、ピンネタすべてで優勝。噂は瞬く間に広がり、相方になりたいと志望する学生が列を成した。そのうちの1人が、昨年のM-1王者の令和ロマン・高比良くるま。高比良は慶応義塾大学だが、2人は同期だ。
「くるまのほうから誘ったそうです。でも、当時のサーヤは実家の経済状態が悪く、安定した収入を得られる会社員にならざるを得なかった。なので、断りました。そのころニシダは、留年して通算7年間も通ったので在学生。サーヤにとっては都合が良かった。2足のワラジを履くには、ニシダさんの堕落性が逆に良縁となったようです」(芸能ライター)
サーヤはM-1王者に縁が深い。中学生のころに追っかけをしていたのは、当時はまったく売れていないマヂカルラブリー(野田クリスタル、村上)。マヂラブが結成直後、大学の学祭のようなイベントに出演した際、中2だったサーヤは観に行っている。立て看板の横でピースをするあどけなくも美少女だった写真を公開している。
「マヂラブは、20年度のM-1王者。サーヤがプロになって、同じステージに立てる日が来ることを願っていると、19年の敗者復活戦で会えたらしい。村上のほうから、『一緒に写真を撮ろう』と言ってもらえたと本人は述懐しています。ともに有名なテレビタレントとなった今はもう、ドキドキする存在ではないそうです」(前出・芸能ライター)
関与した2組の芸人が、のちにM-1王者になるとは。サーヤのあげまんにあやかりたい中堅芸人が増えるかもしれない!?
(北村ともこ)