開会式まであと半年を切ったパリ五輪。世界中が注目するスポーツイベントだが、資金難を理由に、中継撤退が決まるメディアが出てきた。民放ラジオ局関係者が解説する。
「これまで夏季五輪についてはテレビ同様、ラジオもJC(ジャパンコンソーシアム)を形成。NHK、民放ラジオ局がアナウンサー、制作スタッフ、技術スタッフを拠出して、共同で中継番組を制作していました。民放連に加盟するラジオ局はAM、FMを問わず、どの局でも中継を取ることが可能。今まで最も多かったのはマラソンで、全国のラジオ100局あまりが一斉にネットしたこともありました。ところがテレビ以上にラジオは広告メディアとしての衰退が激しく、これ以上、右肩上がりの五輪放映権料を支払えないと判断。今大会からJC制作を取りやめることが決まりました」
ただ、唯一クリアできるチャンスはまだ残されている。
「NHKラジオが独自制作で中継することができれば、問題は解消できます。それも厳しければ、もう復活はないのでは…」(前出・民放ラジオ局関係者)
今夏の話題を独占する旬なイベントを追いかけられない影響は今後、各方面に波及しそうである。