ディープインパクトは昨年リーディングサイアーの3位となり、11年守り続けていたリーディングサイアーの座から陥落した。そして、産駒は今年に入ってもまだ1勝しかしていない(2月4日現在)。現役馬が少なくなったとはいえ、これはちょっと寂しい。
しかし今週は期待馬が2頭登場するので、楽しみだ。まずは2日10日(土)の京都11R洛陽ステークス(4歳以上オープンL、芝1600㍍)に出走するエスコーラ(牡6)から。
半兄に朝日杯FS(GⅠ)を勝ったサリオスがいる良血馬。長期休養明けの前走こそ3着に敗れたが、それまで4連勝して一気にオープン入りしたように素質は高い。500キロを超える巨体の持ち主だが、前に行けて末脚もしっかりしているのが魅力。使ったあとも脚元に反動はなく、順調に調教を積んできてデキも良好だ。一叩きされた今回は期待できそう。
「脚元の不安がなくなり、ようやく詰めて使えるようになった。ここを勝って賞金を加算することが先決ですが、この春の目標は安田記念と聞いています。兄サリオスが果たせなかった古馬マイルGⅠ制覇を成し遂げたいそうだ。6歳になりましたが、キャリア6戦で馬は若々しい。まだ成長が期待できそうで楽しみです」(トラックマンC氏)
次は、11日(日)の京都記念(GⅡ、芝2200㍍)に出走するプラダリア(牡5)。暮れの有馬記念(14着)以来の出走となるが、2走前に重賞を制した淀で反撃態勢だ。
前走後は一息入れ、じっくりと仕上げてきた。最終追いは坂路で行われ、4F52秒2の好時計を末強めでマーク。騎乗していた池添学師も「手前を変えてくれたし、乗っていても気持ちよかったです。上がってからの息の入りも凄くいい」と満足気だ。
重賞で2戦2勝しているように、時計のかかる今の京都の馬場も大歓迎。全3勝を挙げている池添謙一騎手に戻るのも好材料だ。条件が揃った今回は、好勝負必至だろう。
陣営はここを勝って、春の目標としている大阪杯(GⅠ)に向かいたいと語っている。それで分かるように、この馬にかける期待は大きい。
いずれにせよ、この2頭は今後の活躍次第ではディープインパクトの後継種牡馬の仲間入りすることも十分可能。その意味でも見逃せない一戦だ。
(競馬ライター・兜志郎)