元サッカー日本代表で、アテネ五輪にも出場した駒野友一氏が、同じく元日本代表の鈴木啓太氏のYouTubeチャンネルに出演し、苦い思い出に終わったアテネ五輪について語った。
駒野氏はアテネ五輪の前年、2003年に左膝前十字靭帯を断裂。復帰まで早くて8カ月、長いと10カ月にもなる大ケガを負う。腫れが引いた後、やっと手術することができ、そこから長いリハビリ期間が始まった。その時を駒野氏は、
「手術して膝が固まって、まずは曲げることからやる。自分では曲げられないから機械に足を乗せて、機械の動きで曲げる。その時はこれ自分の膝かなって思って、復帰できるのかなって」
と振り返った。復帰するまでに何度もメンタルをやられそうになったという。
懸命のリハビリを経て、2004年4月に復帰。8月にはアテネ五輪のメンバーに選ばれた。
アテネ五輪では2戦目のイタリア戦と、3戦目のガーナ戦に出場。日本は1勝2敗の4位に終わり、グループリーグで敗退した。
「メディアがプレッシャーをかけてきて、それがいい方向にいかなかったのかなと思った」
と駒野氏。アテネ五輪代表は「谷間の世代」と言われ、前大会のシドニー五輪代表と比べると、サポーターの期待値は低かった。それは選手も把握していたそうで、谷間の世代と呼ばれることに、こんな思いを抱いたという。
「やっぱり思うよね。常に言われてるから。見返すっていう思いはあったけど、結果としてうまくいかなくかった」
アテネ五輪で谷間の世代を返上することはできなかったが、この時の経験が2010年のW杯南アフリカ大会での活躍に繋がったという。他の谷間の世代はどう思ったのか、駒野氏以外の意見も聞いてみたいものだ。
(鈴木誠)