2022年春からテレビ大阪の深夜枠で放送されている「さらばのこの本ダレが書いとんねん!」。さらば青春の光がMCを務めるこの番組は、思わず「こんな本、誰が書いとんねん」と口に出してしまいそうな、マニアックなテーマの書籍の著者をゲストとして招き、遠慮なしに根掘り葉掘り質問するというトークバラエティーだ。YouTubeとTVerでも配信されている。
2月13日深夜の放送にゲストとして登場したのは、昨年10月に出版された「アニメ化4作品のマンガ家が腕時計にハマった結果5000万円の借金をつくった話」の著者であるヒロユキ氏だった。
売れっ子漫画家として「アホガール」「カノジョも彼女」などのヒット作を連発し、巨額の資産を築いたが、連載のストレスから逃避するかのごとく、数百万円から数千万円もする超高級腕時計を次々と購入するようになる。そして気が付けば、5000万円の借金を抱えてしまっていたという。
自らの時計趣味について「欲望のコントロールができてない」と淡々とした口調で語るヒロユキ氏に、さらばの2人は大爆笑。大盛り上がりで番組は終了したのだが――。
「この放送を見たトケマッチの被害者から、森田哲矢に怒りの声が噴出しているんです」
と語るのは、腕時計専門誌ライターだ。
トケマッチとは、1月31日にサービス終了が発表された、ブランド時計のシェアサービス。高級時計をレンタル用に預けることで高利回りを得られると説明していたものの、運営会社の破綻という理由により、16億円相当の腕時計が未返還に。預けた時計がオークションサイトで勝手に転売されているとの情報も相次ぎ、被害者の会が結成されている。
なぜ森田に怒りが向かうのかといえば、
「トケマッチ運営会社の代表と森田は中学校の同級生ということもあって、雑誌で対談しているんです。森田がトケマッチの知名度アップにひと役買ったことは否めない。高級腕時計が返ってこない被害者からすれば、騒動のさなかにのん気に腕時計トークをしている森田に腹が立つのは当然です」(前出・腕時計専門誌ライター)
さらには、この番組での森田の発言が、被害者感情を逆なでしているのだという。
「森田は『借金してまで買いたくない。だって、いらんもんやもん』とバッサリ。トケマッチの被害に遭った人間とすれば、完全にハシゴを外された気分でしょう」(前出・腕時計専門誌ライター)
最悪のタイミングでの放送となったのである。
(川瀬大輔)