栗東からはウシュバテソーロのほか、UAEダービーを制したデルマソトガケ(23年)とクラウンプライド(22年)、そして帝王賞を連覇したメイショウハリオも乗り込む。
「デルマソトガケは昨年のサウジダービー(ダ1600メートル・3着)でコースは経験済み。すでに世界トップクラスにヒケを取らないポテンシャルを示しているだけに、ゲートさえ五分なら自在に動ける脚質も有利に働きそうです」(増井TM)
国内最終調教でもCWコースでシャープな脚さばきをみせ、4ハロン55秒4、ラスト10秒9をマークした。
「瀬川助手も『時計は気にせず、のびのび走らせることを意識しました』と話していたように、4歳馬らしく、体重も増えてボリュームアップ。21日に現地でルメール騎手が騎乗して最終調整が行われる予定です」(増井TM)
クラウンプライドは、メリハリの利いた調整が印象的だったという。
「2月7日の坂路では、しっかりとストライドを伸ばして4ハロン49秒4の自己ベストをマーク。12日の国内最終追い切りでもCWコースで4ハロン53秒4―11秒4。新谷調教師も『去年のチャンピオンズC(11着)よりも状態はいい』と、巻き返しへ意欲的でした。7歳馬のメイショウハリオは、力の衰えこそみえませんけど、スピードの乗りが遅い脚質が割引材料。初の海外遠征という点も少し心配ですね」(増井TM)
唯一、美浦から参戦する昨年のJRA賞最優秀ダート馬レモンポップも、調整に抜かりはない。
「田中博調教師は『予定が早めに決まったので昨年のドバイ(ゴールデンシャヒーン10着)よりも調整過程はいいですし、ドバイの時に検疫厩舎を経験したのも今回に生きています』と話していました。距離にメドが立ち、フェブラリーSや南部杯(ともに1着)の内容から、舞台がワンターンに替わる点も好材料です。ここもハナを主張して押し切りを狙うでしょう」(増井TM)
その日本勢に立ちはだかる外国勢はどうか。秋山氏は、英国ブックメーカー「ウィリアムヒル」でも1番人気に支持されている米国馬ホワイトアバリオを筆頭候補に挙げる。
「昨秋のBCクラシック(ダ2000メートル)では、デルマソトガケに1馬身差で優勝。ここはそれ以来、約3カ月半ぶりの実戦になりますけど、前走も約3カ月ぶりでしたから、休み明けという点は問題ないでしょう。それに、個人的には2走前のホイットニーS(ダ1800メートル)を制した時の走りが衝撃的で、1800メートル戦のほうがパフォーマンスを上げる可能性は高いと思っています」
前走のペガサスワールドC(ダ1800メートル)でGⅠ2勝目を挙げたナショナルトレジャーも、3番人気タイと高評価を得ている。
「昨春のプリークネスS(ダ1900メートル)で逃げてGⅠ初制覇。秋のBCダートマイルでも逃げて、のちの年度代表馬コディーズウィッシュのハナ差2着でした。前走は2番手からの競馬で、逃げずに結果を残した点は成長も感じますが、17年以降で最も遅い勝ちタイムだったことは気になります」(秋山氏)
穴馬としては、アイソレートとセニョールバスカドールが挙がる。
「前者は逃げ切った昨年のゴドルフィンマイル(ダ1600メートル)が印象的。距離延長が課題ですが、スタートを決めて行き切れば楽しみがあります。後者は追い込み脚質でペガサスワールドCの2着馬。ここは逃げ・先行馬が多くなりそうなので要注意です」(秋山氏)
果たして日本勢の連覇はなるのか。初のサウジカップ馬券を存分に楽しもう!