2月24日の深夜(日本時間2月25日午前2時40分)にサウジアラビア王国のキングアブドゥルアジーズ競馬場で、GⅠサウジカップが行われる。今年から馬券が発売されるようになり、日本ダート界を牽引する5頭が参戦するだけに、ズバッと的中させたいものだ。
昨年、日本馬のパンサラッサが逃げ切り、優勝賞金1000万米ドル(約13億6000万円)を手中にしたサウジカップ。今年も日本のダート界が誇る精鋭5頭が参戦する予定だ。
専門紙「競馬エイト」の海外競馬本紙担当・増井辰之輔TMは日本勢に期待を込める。
「昨年を上回るラインナップだけに、日本馬の連覇、ワンツー決着の可能性も十分あります。まずは昨年のドバイワールドCで鮮やかな追い込みを決めたウシュバテソーロ。年末のGⅠ東京大賞典も貫禄の差し切り勝ちで実績、実力ともに申し分ありません。ただ、序盤にスッと動けるタイプとは言い難い。今回はコーナー2つのワンターンですから、ある程度のスピードを要求されるコース設定が課題になりそうです」
日本のダート1800メートル戦は、コーナー4つが定番である。そこでコースについて、「東京スポーツ」紙上でコラム「海外競馬解析」を執筆する競馬ライターの秋山響氏が解説する。
「この競馬場は楕円形の左回りの平坦コースで、1周2000メートル。1800メートル戦は2コーナーの奥に伸びたシュートからの発走で、最初のコーナーまで約900メートルあります。なので、枠順はあまり気にする必要はないでしょう。ちなみに最後の直線は約400メートルです」
また、ダート戦といっても、ウッドチップが混じっているのも特徴だ。
「乾燥した土地ですから、馬場の含水率を安定させる役目があるのですが、結果的にこれがクッション性を高めています」(秋山氏)
その影響からか、米国のダートに比べて少し時計のかかる馬場で、スピードだけではなく、持続力も問われるという。
「米国やドバイの競馬場と比べてキックバック(蹴り上げた時の砂)が少ないため、前進気勢が削がれにくい。2年前、地元のエンブレムロードが後方からの競馬で米国の強豪勢をまとめて差し切ったように、差し・追い込みタイプの好走もあります。脚質の有利不利というよりも、単純にペースと能力と言えるでしょう」(秋山氏)