GⅠフェブラリーSが3連単153万円、翌週のGⅡ中山記念も54万円と、このところ荒れ模様の中央重賞。こうした大万馬券を当てるためには「一体、何点買えばいいんだ」と諦めムードにもなるが、ふと馬単の配当に目を向けると、前者が6万円で後者が3万円。そうだ、点数も少なくて済む「馬単万馬券」を狙い撃てばいいのか――。
3連単の配当が表示された瞬間「馬単でよかったのか~」と、買い方を後悔した人も少なくないだろう。実は結構な頻度で馬単万馬券は飛び出しているのだ。
週刊アサヒ芸能連載でおなじみの伊吹雅也氏が解説する。
「馬単で万馬券というと、いかにもハードルが高そうに感じますが、23年2月25日から24年2月18日までの過去1年間(データの集計期間は以下同)に施行されたJRAのレースを集計してみると、およそ5レースに1レースの頻度で出現していました。1場の1開催日(12レース)でほぼ2~3レース、3場開催なら1日に8レースくらいは発生している計算です」
馬単なら3連単よりも点数が少なくて済むし、その分、1点あたりの金額の上乗せも可能だろう。
「当然ながら、馬単は勝ちきってくれる馬をいかに見抜くかが最大のポイントになります。その上で大きなヒントとなるのは、やはり騎手です。一般的にトップクラスは勝率が2着率より高くなるもの。例えば過去1年の勝利数1位のC・ルメール騎手の場合、勝率が24.9%で2着率が19.0%。勝率から2着率を引いた値はプラス5.9ポイントでした。同様に他の騎手も算出してみると、短期免許で参戦したD・レーン騎手が13.4ポイント、J・モレイラ騎手が9.0ポイントもプラスで、共に優秀な成績でした」(伊吹氏)
やはり世界を渡り歩くトップ・オブ・トップは、しっかりと勝ちきる術を心得ていると言えそうだ。
「これを踏まえた上で強調しておきたいのが川田将雅騎手です。勝率30.5%、2着率14.9%でプラス15.6ポイント。当然、人気を集めるだけに馬単万馬券とは無縁の印象があると思いますが、勝ちきったレースのみを見ても過去1年間だけで7本の馬単万馬券に絡んでいます」(伊吹氏)
1月27日の東京6R(未勝利戦)で4番人気のダイシンアポロンに騎乗し、6番人気の逃げ馬を最速の上りでクビ差捕らえて馬単1万1840円を演出した。
スポーツ紙記者が話す。
「大混戦だった昨年の札幌記念でも2番人気のプログノーシスで勝利を収めて馬単1万8640円でした。昨年は151勝を挙げていますが、2~3番人気で50勝、4~5番人気でも11勝しています。『ケガをして迷惑をかけたくない』が口癖で、勝率重視のスタイルだけに、常に馬連と馬単のオッズには気をつけたいですね。この時も馬連は1万3680円で、馬単との差は約5000円も生じていました」