東京都公立大学法人は、20歳の女子学生に不適切な行動を取ったとして、東京都立大学人文社会学部の宮台真司教授に対し、2月20日付で戒告の懲戒処分にした。
同法人の発表によると、宮台氏は昨年12月に「調査研究の一環」として、他の大学に通う女子大生にラブホテルなどで「取材をする」とともに、「その返礼としての相談に乗る」などの「不適切な行動」をとったという。
これだけをみても「調査研究」でなぜラブホテルなのか、よくわからない。「交際」を報じた「FLASH」に対し、宮台氏はメールで次のように釈明している。
「『進路選択についての相談』と、『幼少期の家族関係に由来する人間関係についての願望水準低下を、どう克服するかの相談』などに、乗っていました」
ラブホテルを使った理由については、
「プライベートな相談に乗ることもありましたが、むしろ最近の高校生の性愛事情に関して、本人や周囲の友人たちの行動や心理を細かく取材していました。総じて、いわゆる男女関係は一切ありませんでしたが(中略)互いを信頼し合う関係にはありました」
もっとも、こうした説明にもとうてい、説得力はない。ただ、大学側としても不倫の「現場」は押さえられなかったので、「不貞行為があったものと推認されるような報道がなされた結果、大学に苦情が寄せられるなど法人の信用を失墜させる事態となった」という理由で、懲戒処分を決めたとしている。
東京都立大学の規則によると、戒告処分は「戒告、減給、停職、諭旨解雇又は懲戒解雇」の中で最も軽い。だからといって宮台氏の行為が許されるものではないが、ガールズバー通いを貧困調査で押し切った文科相元事務次官・前川喜平氏の例を見てもわかるように、宮台氏も素知らぬ顔で大学に居残るのだろう。はたして、それでいいのか。
(田中紘二/政治ジャーナリスト)